ドールに持たせるはずだった日本刀プラモデルなのに、いつしか日本刀プラモデル作製そのものに凝りだしている私は、自分でも本末転倒という言葉がよく似合うと思います。
以前作製した日本刀プラモデルの工程はこちらからどうぞ↓
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その1
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その2
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その3
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その4
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その5
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! 最終回
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! 総集編
さて、作製手法は前回とほぼ同様ですので省きます。前回のように製作途中で方針転換しなかった分、楽に進みました。
……まあ流石に、2回目だっていうのにああでもないこうでもない、ってやってたらどれだけ学習能力ないんだよって話ですよね。
ってなわけで、完成図ドン。
Fig.1 完成図
今回のコンセプトは、質実剛健、です。
では、キットからの改造点をご紹介しましょう。よろしければ冒頭のパッケージ画像と比較してみてください。
鞘はもとのキットでは限りなく黒に近いあずき色でしたが、ブラックに半光沢クリアで塗装しています(Fig.1)。あくまでも地味目に行きます。鞘尻や鯉口のパーツはメタルブラック+艶消しです。ブラックとメタルブラックでどれだけ差が出るか心配でしたが、半光沢or艶消しクリアの差もあって、ぱっと見で十分に違いが分かります。地味な中にもメリハリが効いていて、単調にならず、良い感じです。
また、Fig.1では鞘ひもを巻いていませんが、この後、柄巻きと同色となる深緑の鞘ひもを巻いています。もともとキットに付属していた鞘ひもは白だったのですが、いよりちゃんの刀(柳生十兵衛モデル)の鞘ひもが深緑だったのでそれと取り変えました。両モデル、柄巻きが白or緑なのに対し、鞘ひもは緑or白だったので、交換することでむしろ色に統一感が出たと思っています(鞘ひもを巻いた写真はFig.6参照)。
刀身はメッキを落とし、再塗装しました。今回は、直刃紋です(Fig.2)。
Fig.2 刀身
以前作製した、いよりちゃんの刀のような波状はいかにも「日本刀」って感じで好きなんですが、同じというのも芸がありませんよね。前回の型紙は残っているのでそれを使えば確かに楽なんですが、そうすると全く同じ刃紋の刀が二振り……「え? なにそれ、量産品?」みたいになっちゃってかわいそうなので、これくらいの手間は厭いません。それに今回は質朴な路線でいきたいので、直刃紋としました。簡単そうに思えますが、直刃紋は波状よりも難しかったです。マスキング用ボール紙を切り抜く際、ガタつきがあるとそれがもろに塗装に反映されてしまいます。しかも、元のラインはまっすぐなのでちょっとのガタつきでもかなり目立ちます。
納得いく型紙ができるまで、私は3回くらい作り直しました。また、塗装も一回失敗しています。マスキングした面積が広すぎたせいで黒く塗装した部分が大きく残り、銀色の刃の部分とのバランスがちぐはぐになってしまいました。仕方ないのでシンナーで全落としし、やり直しました。
可愛い娘の持つアイテムに、妥協は許されません!
続いて鍔をはじめとした金メッキパーツ。これはメッキを落としてからメタルブラックを塗装、艶消しコートしています(Fig.3)。やはりコンセプトは質実剛健、華美なのは避け、渋くいきます。この宮本武蔵モデルは、小柄が付属しているのですが(Fig.3中央あたりに写っている、鍔元にくっついてる長方形のパーツ)、こいつも塗装しています。全体は黒鉄色に光沢クリア、中にはまっている黒い飾りパーツはメタルブラック+艶消しクリアです。
Fig.3 鍔周辺(塗り分けを分かりやすくするため、画像は現像時強めに補正をかけています)。
今回、唯一、はばきだけは金メッキをそのまま残しました。これは、刀身の峰にメタルブラックを吹き、鍔にもメタルブラックを吹いているので、色使いが単調になってしまうのを避けるためです。仮にはばきまでメタルブラックにしてしまうと、刀身-はばき-鍔までが同色で繋がってしまい、メリハリがなくなってしまいます。そこで、刀身と鍔の間に挟まれるはばきを金のまま残すことで、アクセントとして利用しています。
それに、質実剛健がコンセプトとはいえ女の子の持ちモノなので、こういう「普段は鞘に収まっていて見えない部分」でちょっとしたおしゃれをしてるのって、可愛いと思いません?
Fig.4 はばきのみ、金メッキのまま
ところでこのメタルブラック+艶消しクリア、ちょっとマットになりすぎてしまった感がありますね。鉄の素朴な感じを出したかったのですが、どちらかというとセラミックスのような質感です。
どんどん行きましょう。お次は柄です。
柄巻きはドールへの色移りが心配なので、巻く前に一度洗濯しました。皺くちゃになってしまいましたが、巻くときはかなり力を入れて引っ張りながら巻くので問題ありません。むしろ洗濯したことによって紐が柔らかくなり、却って巻きやすかったくらいです。
柄パーツのサメ肌は、薄めたリキテックス マースブラックで塗っています。今回は、筆でただ塗っただけで、やすりがけはしませんでした。ブラックのスプレーを吹いて真っ黒にしても良かったのですが、そうするとメタルブラックに塗装した目貫が目立たなくなってしまうので、やりませんでした。
Fig.5 柄周辺部(ややブツブツ注意です)
ただ、完成したのを見てみるともっと黒っぽさが出てもよかったな、と思います。個体差なのかどうなのか、今回のモデルはサメ肌風の凹凸があまりはっきりしておらず、凹部にしっかりと塗料が乗らなかった感じがしました。スプレーで全体をしっかりブラック塗装→やすりがけで凸部のみ白地を出す、とやれば、もっと陰影がくっきり出せたかもしません。
そうそう、目貫と言えば以前、金メッキを残してアクセントにすることを検討して見送ったという経緯がありました。で、今回ですが、またしてもそれは見送っています。理由は、質実剛健というコンセプトに合わないと思ったため、そして、はばきの金メッキを残したためです。上述(Fig.4周辺)の通り、はばきのメッキは、刀身から鍔までの色のつながりの関係からどうしても残したいと思っていました。もしここで、目貫まで金メッキを残すとすると、全体としてメッキ個所は2ポイントとなり、散漫な印象です。色使いもうるさくなってしまいます。
以上、キットからの変更点、個人的なこだわりポイントでした。
さてさて、それでは、ちふみちゃんに持ってもらいましょう。
Fig.6 ただでさえ足の長いDDを、広角で下から狙って更に脚長に
ああ~、いいですねぇいいですねぇ、セーラー服と日本刀って抜群すぎる組み合わせですよね。ビールとから揚げ、日本酒と塩辛、生ハムとメロン並みのベストマッチです。
あ、それとちなみに、鞘ひもを巻くとこういう(Fig.6)感じです。
Fig.7 格好いいポーズをとらせてみる
Fig.8 バストアップ
どうでもいいことですが、ドールは部屋の床に置いて撮影しています。で、このアングルということは……撮影時、私はかなりみっともない姿勢になっていることは想像に難くありませんね! いいんです、べつに!
Fig.9 抜刀
やっぱりはばきは金色で正解でした。全体的に暗くなりがちな刀身の中、ワンポイント光るものがあるとグッと締まります。F値をもっと絞ればよかったんですが、例によって例のごとくものぐさの手持ち撮影なもので……
ところでwikipedia大先生がおっしゃるには、正しい日本刀の扱いとして、抜刀する場合、鞘ひもはほどいておかなくてはならないらしいです。なんですが、この鞘ひもはほどいたら多分二度と結べないと思うので……
Fig.10 今回のお気に入り(もはや、「刀に意味あるの?」って構図ですが)。
いよりちゃんは白くてぽわっとしたイメージなのに対して、ちふみちゃんは暗くてキリッとしたイメージが良く合います。折角2体いるので、こういう印象の面でもすみ分け出来たらいいですね。
ところで今回の宮本武蔵モデルですが、先の柳生十兵衛モデルに比べて遥かに組みつけが悪かったです。特に刀身を鞘に納める所なんて、はばきと鯉口の位置がずれていて、無理やり押し込むはめになっています。また他にも、小柄をはめるときは、塗装がはがれるんじゃないかというくらい力を入れて押し込まないと綺麗に入りませんし……。塗装することを考えて、あらかじめかなりやすりで削っているので、これは私が塗装した塗膜のせいというよりは、もともとの工作精度の問題、あるいは個体差だと思います。
次回組み立てる際は、塗装前に一度合わせてみて、過度のフリクションがかかることなくパーツが収まるかを確認したいと思います。で、合いそうもなかったら削って精度を合わせると。
え? 次回があるのかって……?
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ……
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