2014年8月25日月曜日

ドール野外撮影 於 八方台

前回、弥彦山で初のドール野外撮影を経験し、すっかり調子に乗ってしまった私はまたしてもドールを連れてお外へと繰り出しました。

やっぱりね、我が家に二体いるドールのうち、一方だけを連れ出しておいてもう一方は外の世界を知らないなんて不公平じゃないですか。
で、たまたま今月のデジタルカメラマガジンを見ていたら、第一特集が「朝と夕の写真」とくれば、もう、やるしかない!!





というわけで、前回と同じところに行っても芸がないので、別の場所で撮影してきました。今回はそういうお話。



今回行ってきましたのは、極々近所のビュースポット、八方台です。いかにも峠道といった感じのワインディングロードを抜ければその先には、眼下に広がる越後長岡の街を堪能できる、そういうちょっとした夜景スポットでもあります。

実はこの八方台には過去に何度も行ったことがあります。といってもそれは遥か昔の高校生の頃、マウンテンバイクにまたがってですから……かれこれもう10年以上も前ですか。しかも今やマウンテンバイクではなく、自動車。おまけにAT(正確にはCVT)ですから、動かすのは主に両腕と右足だけですよ。歳を取ったなぁ。
ちなみに一部界隈では、八方台に登ることを「はっぽる」というとかいわないとか……。



それは良いとして、まずは今回の装備から。

今回の旅のお供は、前回置いてきぼりを喰らったいよりちゃんです。「年長者が優先」であるのと同時に「出来るだけ公平に」というのが我が家のモットー。ちふみちゃんは、今日はお留守番です。



カメラとレンズですが、前回の経験を踏まえ、また、夕景というロケーションも考慮し次のようなチョイスとしました。

まず5Dmark3にはシグマの35mmF1.4で行きます。前回、「標準域のズームでも行けそう」みたいなことを書きましたが、今回は夕暮れ時で、時々刻々と光量が下がっていく条件ですから解放F値は重要のはずです。


そして今回は2台持ちで行きます。

もう一台は70D、レンズはEF70-200mmF4Lです。これはドールを撮影するためというよりは、夕景を撮影するというのが主な目的です。というのも、景色を撮影する際、広角レンズですと余計な木の枝等が入りこんでくることがあるので、そういう余計なものを除外するため望遠ズームを選びました。F4で若干暗いですが、もともとこちらの組み合わせでは夕景撮影がメインのつもりですから、解放が暗くても別にかまいません。太陽は明るいですから、撮影時はF10くらいまで絞るので。


また、夜景も撮影したいので、三脚とレリーズも持って行きました、が、使いませんでした。何故かは後述。




この日の天気は午前中は晴れ、午後は雨という予報でした。出発の時点では降っていませんでしたが、そういう予報だったので、本当は行かない方に傾きかけていました。雨に降られれば撮影できないだけでなく、夕暮れ時はただでさえ運転しづらいというのに路面が濡れればますます状況は悪化します。
が、それでも撮影を決行したのは、それらリスクを受け入れてもまだおつり来るであろう、以下の一点があまりに魅力的だったからです。


「むしろ天気の悪い方が、他の人がいなくていいのでは?」


雨が降れば無駄足ですが、仮に天気のいい日に行ったとしても他の人と鉢合わせたらそれもやっぱり無駄足です。迷っているうちになんだか雲も流れてきたし、行くしかない!!

ってことで、出発!!


Fig.1 いくぞーおー



八方台からの景色はこんな感じです(Fig.2)。この時点で、時刻は午後5時。青空は出ているものの、すっごい嫌な雲も出てますね。しかもFig.2は西を向いて撮ったので、この雲はこれからこっちに来ることに……。まあ、降ったら車に避難ということでそれは別に良いのですが。


Fig.2 雲の切れ間からレンブラント光線



それより問題なのが、一つ。

先客がいる……。

先客、と言ってもあちらさんもドールを撮影しているわけではありません(そりゃそうだ)。

車が一台駐車場に停まっているんです。周囲に人影はありませんが、車を置いてどこかへ行くという場所でもないので、どうやら車の中にいらっしゃるご様子。


どうするか。


さて、ここで私と先客さんの位置関係について少し説明しないといけません。

八方台には駐車場(というか、全体的に更地なので、『車を止めてもよさそうなスペース』というのが正しいと思う)が二か所あり、徒歩20秒(分じゃない)くらいで行き来できます。二つの駐車場同士は多少の高低差があったり、間に木や簡素な建物があったりして視線はかなり通りにくい……はず。


Fig.3 八方台駐車場その1



Fig.3は、先客がいたほうの駐車場です(いないときに撮影)。白い車は私のオデッセイちゃんで、そのさらに向こう側にもう一つの駐車場(Fig.4)があります。


Fig.4 八方台駐車場その2



ということでまずは先客のいない方の駐車場(Fig.4)に車を停め、カメラだけを持って偵察に。いかにも「普通に景色を撮りにきただけですよー」みたいな顔をしてうろうろしつつ、ドールを撮影できる場所があるかを探ります。

その結果……イケる!!


しかも駐車場の地面は砂利なので、車が動いたり、人が歩いたりすれば音ですぐに気付けます。ということで、撮影開始です。




まずは看板といよりちゃん。


Fig.5 到着!



高台からは街側(西)と山側(東)の両方が見晴らせます。Fig.6は東側。


Fig.6 いよりちゃんと山



朝日が出てくるときなど美しいのでしょうが、早起きは嫌いなのです。


Fig.7 山を眺めるいよりちゃん



気分よく撮影していると、ふと腕に何かが当たる感覚が。


雨です。

元々天気予報は雨ですし、降りそうで降らない、といった感じの空模様だったので想定内ですが、いざ降ってくるとやっぱり残念ですね。カメラも心配なので、早々にいよりちゃんを抱え、車の中へ退避。


Fig.8 ポツポツと雨。外がやけに暗いのは窓がハーフシャドウだから



ですが、この時点でまだ5時半くらいです。日没はおよそ1時間後ですから、まだチャンスはあるはずと思い、車内で様子を見ることにしました。

するとここで嬉しい出来事が。先客の車が帰っていくではありませんか。夕焼けを見に来たものの、雨が降り出したせいで諦めたのでしょうか。高台に残ったのは私一人、そして雨は10分もせずに止みました。


神様ありがとう!!!


ってことで撮影再開です。


Fig.9 薄昏の街を眺める



今回もやります、車とドールのベストマッチ。


Fig.10 サイドミラーに腰掛けて



Fig.11 車とドールのおいしい出会い



サイドミラーはああ見えて非常にもろいので、ドール程度なら良いですが、普通の人間は体重をかけないよう注意です。


Fig.12 キャンギャル風に



オートサロンなんかでよくいますよね、Fig.12みたいに車に乗っかってるお姉ちゃん。ああいうのを見ると、自分の車に乗っかられているわけでもないのに「ふざけんなそこはお前のベッドじゃねえぞ」とグーパンの一つでもくれてやりたい烈しい感情がわき上がってくるのですが、愛娘(ドール)は特別です。


そうこうしているうちに、大分日が傾いてきました。

ここからサブで持って行った70D+70-200mmが威力を発揮します。圧縮効果で遠近感を吹き飛ばし、狭い画角で必要ない木の影を省略することで、夕日とドールを切りだすのに非常に重宝しました。


Fig.13 夕日



ゴーストが出ていますが、こういう場合は少しくらい出ていたほうが雰囲気的にも良い感じ、と個人的には思っています。ちなみに、このレンズだけはフィルターがkenkoのPRo1D(安いフィルター)なのですが、これだけ意地の悪い撮り方をすればもはやそれは瑣末な差でしかないでしょうね。


ここにきて気づいたのが、夕日や夕焼けとドールを一緒に撮ろうとすると、必然的に後ろ姿ばかりにならざるを得ないということです。それじゃあつまらない! ワンパターン撲滅! ということで慌てて前に回り込みます。


Fig.14 太陽のばかやろー!



望遠レンズで良かったこととして、もう一つ。
夕日は横方向からの日差しなので、ドール正面から順光で撮影しようとするとドールが自分の影になりがちです。望遠レンズなら、ドールが自分の影に入らない位置まで離れて撮影できるので、これまたグッド。


Fig.15 自分の影に入らないよう200mmで撮影



全て手持ちでしたが、こちらのレンズは手ぶれ補正が利くのでそれほどブレは問題ではありませんでした。


Fig.16 らったったらったったったふぅふぅ(若干ポーズが違った)



無理かと思ったのですが、この立ち姿でも自立できました。


Fig.17 関節が固いって素晴らしい



ホワイトバランスを蛍光灯にすると、Fig.18のように憂いを帯びた雰囲気になります(冒頭の写真も同様にWB蛍光灯)。早速デジタルカメラマガジンで得た知識が役に立ちました。


Fig.18 今回のお気に入りショット



ただ、美しくて印象が強い分、あんまり乱用するとくどくて飽きますね。アクセント的に使うと凄くハッとさせられるのですが。


本当は完全に日が没むのを待ってから夜景も撮りたかったのですが、丁度また雨が降り出したのと、何台か走り屋っぽい感じのインプや86がやってきたこともあり、この辺が引き際と思って帰ることにしました。


ちなみに、中途半端な暮れ方ですが、夜景はこのようになります。


Fig.19 長岡市街の夜景



これは高台からではなく、下山途中の道路(退避場所に停めて撮影)からの景色です。
さすがに退避場所に長居するわけにもいかなかったので、ササッと35㎜で手持ち撮影していますが、本当だったらこういう景色を三脚と望遠レンズで切り取りたかった……!



ということで、今回のまとめ


・二台体制は悪くない

広角単焦点+望遠ズームの組み合わせは融通が利いて便利でした。特に今回、風景撮影用と思って持って行った70D+70-200mmがドール撮影にも思った以上に活躍してくれました。上でも書きましたが、自分の影が写真に入らないよう、離れたところから撮影できるというのがうれしかったです。夕方は特に、影が長く伸びちゃいますからね。
ただ、最短撮影距離が長いので、普段の感覚で撮影しようとすると焦点が合わなくてイラつかされることが何度か……。

なお、別にどうしても二台体制である必要は無くて、その場でレンズを交換すればいいことです(フルサイズとAPS-Cの画角の違いはありますが)。ただ、私は外でレンズ交換はあまりやりたくないタチなので、荷物がかさばるのを我慢して二台持って行ってます。



・三脚、レリーズはいらなかった(が、いつか使ってみたい)

風景撮影用に、と思って持って行った三脚とレリーズですが、結局ドール撮影に夢中で、使いませんでした。
ただ、ドール撮影でも、カメラを三脚に載せてISO100で固定で撮る、という使い方はいつかしてみたいと思っています。今回なぜやらなかったかというと、端的に言えば三脚の取り回しが面倒だったからです。それよりも、思うように素早く構図が変えられる手持ちが良い、とりあえず手持ち撮影で試せるだけの構図を試しておこう、ということで今回は三脚は使いませんでした。ですので、いずれは三脚での撮影にも挑戦したいと思っています。



・ハンカチ、タオルを持っていけばよかった

外のベンチに座らせるとき、そのベンチを拭いたり、あるいは敷物のようにドールのお尻に敷いたりするためのハンカチを持っていけばよかったです。前回の撮影では、ちふみちゃんはロングスカートだったので気にならなかったのですが、今回いよりちゃんはホットパンツで、ドールの素地が直接ベンチに触れます。たまたま車にぼろ布が積んであったので、それでベンチを拭くことができましたが、次回からは忘れず用意したいです。



・ポージングが課題

前回もそうでしたが、ドールを生き生きと魅力的に見せるため、もっとポージングを工夫したいです。とりあえず、いつもついやってしまう「帽子に手を当てる」は今回禁じ手とし、それ以外のポーズを模索しました。個人的に結構好きなのは、車と一緒に写っているFig.10です。
ついつい手首パーツの交換を面倒くさがってしまうのですが、手の形だけでも大分雰囲気が変わってくるということをようやく理解してきたので(遅い)、なるべく手を抜かずに、イメージに合わせて交換しようと思います。
ただ、手首パーツって着脱が固くて、破損させそうで嫌なんですよね。野外で焦ってたりするとなおさら……。





それにしても八方台は思った以上にいい撮影スポットでした。結構な峠道を上る必要があるため大抵の人は車でやってくるので、撮影していても人が来たらすぐにわかるというのがグッドです。



というわけで、今回はこれでお仕舞いです。

撮影中に景色とドールを見ながら一服しよう、と思って缶コーヒーを用意していったのですが、そんなこと頭の中から吹っ飛ぶくらいに撮影に熱中してしまって……いつ雨が降るか、いつ人がくるか、という状況だったので仕方ないとは思うのですが、もっとゆとりをもって撮影できるようになりたいものです。

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