先日、近所で花火大会があったので、撮影に繰り出してきました。
反省すること大でしたので、その懺悔の記録として残しておきたいと思います。
今回は、そういうお話。
まずは機材から復習しておきましょう。
カメラ:5Dmark3
レンズ:EF17-40mm F4L USM
三脚:SLIK PRO700DX(3way雲台付属)
その他:純正レリーズ
三脚は、背後の邪魔にならないことを十分確認したうえで、最大伸長(約1900mm)にしています。
カメラのセッティングは以下の通りです。
撮影モード:バルブ
ISO感度:100
F値:基本は10
フォーカス:マニュアル(無限遠固定。はるか遠くの建物をライブビューで拡大表示し、手動で合わせた)
その他:長時間ノイズリダクションはOFF、ホワイトバランスは太陽光
では写真。
Fig.1 ISO100, 40 mm, F10, 8.3sec, トリミング無し
Fig.2 ISO100, 40 mm, F10, 6.4 sec, トリミング無し
Fig.3 ISO100, 40 mm, F10, 6.0 sec, トリミング無し
この辺はトリミングすることもなく、それなりにちゃんと撮れています。Fig.3はセンターからずれましたが。
単発の花火を撮影する場合、爆発した芯が写真に収まるよう、花火が開く前からシャッターを切っておきます。なので、撮影構図は直前に上がった花火の位置を参考にしつつ、ある程度は勘で合わせることになるかと思います。
ちなみに話がそれますが、Fig.2の写真は見出し部分(Fig.1の更に上)に掲載しているものと同一です。折角のカメラ関連記事だというのに、見出し部分に写真が無いのはさみしいかと思いまして(これはこのブログ全般にいえることなので、なるべく見出しにも画像を入れていきたいですね)。
閑話休題。次は、スターマインの撮影です。
Fig.4 ISO100, 17 mm, F18, 23 sec, トリミングあり
Fig.5 ISO100, 17 mm, F10, 5.7 sec, トリミングあり
レンズが17-40 mmなので、Fig.4, 5は最広角で撮っておきながらトリミングしていることになります。17mmでトリミングって、ズームすればいいじゃん、って話ですよね。
ただ言い訳をするなら、打ち上げ場所がワイドに広がる場合、どういう画角が良いか分からないので「とりあえず最広角で撮っておいて、後からトリミングしよう」となってしまうのは仕方のないことかと……これもカメラの高画素化が悪いんです……トリミングに耐えられてしまうテクノロジーのせいなんです……。
トリミングが嫌なら、最初の数発は犠牲にして構図を決めることになりますが、スターマインの種類によっては、徐々に花火の号数が大きくなっていく場合もあるわけで……この時点で私は「ああもう面倒くさいからトリミングでいいや」となりました。
Fig.6 ISO100, 40 mm, F18, 34 sec, トリミングあり
Fig.7 ISO100, 40 mm, F22, 31 sec, トリミングあり
Fig.6, 7は40 mmでトリミングなので、まだ許される(なにが?)かと。F値がやたらに高いですが、スターマインの多くの花火をフレームに収めたかったため、絞っています。が、Fig.7のF22はやりすぎですね。光量が絞られすぎて、線が細く貧弱になってしまっています。F18くらいが限度でしょうか。
それと、あまり絞りすぎると、街の光などが入り込んだ際に光芒が出て邪魔になります。Fig.7の下部にも半分くらい写りこんでしまっていますね。
Fig.8 ISO100, 40 mm, F10, 24 sec, トリミングあり
漆黒の夜空に広がる花火もいいですが、薄昏をバックに上がる花火も乙なものです。
Fig.9 ISO100, 40 mm, F10, 9.3 sec, トリミングあり
Fig.10 ISO100, 40 mm, F10, 5.5 sec, トリミングあり
Fig.11 ISO 100, 40 mm, F10, 3.2 sec, トリミングあり
Fig.11の3秒程度でようやくまともに見えるという感じでしょうか。ただ、これはあくまでも白い花火の場合であって、他の色ではもっと長時間露光しないときれいに写らない場合もあります。あまり欲張って色々な花火をおさめようとするのは良くないですが、特に白い花火の場合は気をつけるべきかもしれません。
Fig.12 ISO100, 40 mm, F10, 1.6 sec, トリミング無し
Fig.12は、一時話題になった、露出中にピント位置を最短→無限遠へ動かす撮影法。確かに面白いです、が、すぐ飽きました。
何より、無限遠にピントを合わせ直すのが面倒くさくて……。
ところで今回気になったのが、光跡のブレです。Fig.13を拡大してみると(Fig.14)、花火の光がうにゃうにゃとぶれているのが分かります。どの光の筋も同じようにぶれていること、スターマインのような連続して上がる花火で良く見られ、単発の花火ではみられない(Fig.3)ことから、恐らく花火の爆音でカメラがブレてしまっているのが原因かと思います(単発の花火の場合、音がこちらに到達する前に撮影が終わるのであまりぶれない)。
Fig.13 ISO100,27 mm, F10,2.3 sec トリミングあり
Fig.14 FIg.13等倍表示
花火会場という近距離から撮影している以上、これはある程度避けられないことだと思います(だって毎年、近隣住民の車がイモビを誤作動させるくらいの爆音なんですよ、そりゃどれだけ頑健な三脚使ってもぶれますって)。対策としては、センターポールを縮め、三脚に安定のためのおもりをぶら下げること位でしょうか。あるいは、本気でブレを嫌うなら、会場から遠く離れた地点から望遠レンズで狙うしかなさそうです。
《今回の反省》
良かった点、悪かった点を含めて書いていきます。
まず良かった点。
・3way雲台は正義
途中、ものは試しと思い雲台を自由雲台に交換してみましたが、全く話になりません。レバー一つで全方向をアンロックできるのが自由雲台のいいところですが、今回はそれが完全に裏目に出ました。ある方向だけ固定して、別のある方向だけ微調整、ということが自由雲台はできないんですね。もちろん絶対無理というわけではありませんが、花火は次々打ち上げられていくわけで、そんな限られた時間の中で繊細な作業というのは現実的ではないでしょう。少なくとも、私には無理でした。
また、3way雲台は各レバーがアンロックとアングル移動を兼ねています。すなわち、左手でレリーズを持ったまま、右手だけで雲台のアンロック・アングル移動・ロックが行えるということですから、アングル移動から撮影までがスムーズに進みます。一方自由雲台は、カメラを片手で支え、もう一方の手でロックレバーを解除、固定することになります。横位置-縦位置のアングル移動なんて地獄です。暗い中、雲台の切り欠きを探し、アングルを縦にして、ねじを締めて……ああもう、腕が3本欲しい!
というわけで、万一、自由雲台で花火撮影に臨もうという方がいらっしゃいましたら、悪いことは言いませんからやめた方がいいと思います。おとなしく3way雲台をお買い上げください。設置、撤収のスムーズさを考えるとクイックシューだとなお良いでしょうが、その辺はお好みで。
あ、別に自由雲台自体を悪くいっているわけではありませんのであしからず。というか、普段は私は自由雲台派ですし……。ただ、どうしても向き不向きはあるのでこれは仕方のないことだと思います。
ところでふと思ったのですが、グリップ式の自由雲台だとこれらの問題は解決する……のかな? 持っていないので何とも言えませんが、ちょっと気になりますね。
・撮影の設定はほぼ問題なし
F値、ISOなど各種設定は、事前に調べておいたこともあって問題ありませんでした。OFFにするのを忘れがちなのは、長時間ノイズリダクションですね。こいつがONのままだと、撮影後、すぐに次の撮影に移れないので……。なお、ノイズリダクションをOFFにしたことによるノイズ感は、特に気になりませんでした。
悪かった点。
・レンズのチョイスは「?」
17-40mmは広角すぎたかもしれません。トリミングしていることからも分かる通り、望遠側が足りないと感じる場面が多々あり、24-70mmにすれば良かったと思います。が、そうすると今度は広角側に不安が出てしまうんですよねぇ……。
・光跡のブレはもう少し何とかしたい
可能かどうかは分かりませんが、Fig.14のようなブレは出来れば減らしたいところです。とはいえ、折角の花火ですから花火会場で間近に観覧したいですし……まあ、三脚の背を縮めて、安定用のおもりを吊るしてもだめならあきらめます。
次回に向けて
黒く塗ったうちわでレンズを覆い、手動で多重露光するというテクニックがあるのですが、次回はそれにチャレンジしてみたいと思います。そういうテクニックが存在すること自体は知っていたのですが、あれもやってこれもやって、では全てが中途半端になると思い今回は見送りました。
幸い、プラモデルの塗装で使ったブラックがまだ少し残っているので、それで塗装してみましょうかね。
ということで、花火撮影の記録でした。
あぁよかった、これで三脚が無駄な買い物に終わらずに済みました。
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