ってなわけで、広大な風景を求めて、意を決してドールを連れ出してきました、というお話。
手慣れた方であれば、さくっと野外撮影の写真を載せるところなのでしょうが、冗長さが売りの当ブログはそうではありません。
前日のなんやかんやから話は始まります。
恥ずかしながら初の野外撮影なので、下調べに下準備は大切ですよね。
今回の旅のお供はちふみちゃんです。最初は二人連れていくつもりだったのですが、全く勝手のわからない初の野外撮影で二体のドールの面倒見切れるか……? という不安があり、いよりちゃんはお留守番となりました。ごめんね……せっかく服を着せて靴まで履かせて準備したのにね……行く気満々だったのにね……ごめん、ごめんね。
実はいよりちゃんのほうが各部の関節が固く、保持力が高いので(というかちふみちゃんの保持力が弱すぎる。こんなに個体差があって良いのか)撮影にはもってこいなのですが、我が家の基本方針は「年長者が優先」です(私自身が長男なので、過去の苦い思い出から)。
交通手段は車なので、荷物になること自体は大した問題ではありません。従って、「二体連れていくだけ連れて行って、車の中で待機。二体で撮影できそうなら挑戦する」という案も考えたのですが、我が家の最大サイズのドラムバッグを以ってしてもドールは一体しか入らないことが判明し、こりゃ無理と断念しました。各関節を外してバラバラにしたり、無理やり押し込めたりすれば何とかなるでしょうが、ばらしたら現地で組み立てるのが手間ですし、無理やり押し込めるのはかわいそう……というか、破損が怖いのでやっぱりNGです。
後述しますが、私にはドールはやはり一体が限界でした。
続いて撮影機材について。
レンズは先日購入した、sigma 35mm F1.4DG HSM、今までは屋内での試写がほとんどでしたから、これが事実上の初陣となります。ドールと風景を収めたとき、どのような構図になるかも気になるところですね。
ボディは5Dmk3です。70Dでは35mmだとほぼ標準域相当になってしまうので。
また、35mm一本で撮る! という決意をゆるぎないものにするため、他のレンズは持っていきませんでした。緊急用のサブ機として、RX100M2は携帯してますが、今回出番はありませんでした。
三脚等も持っていきませんでした。ドール撮影という性質上、素早く展開して素早く撤収したいので、機動性を損なうものは極力省きました。
ってなわけで、持っていったものリストは以下の通りです。
・ドール一体(ちふみちゃん)
・手首パーツ一式
・スタンド
・櫛
・カメラ(5Dmk3 + sigma 35mmF1.4 DG HSM レンズフード付き)
では、参りましょう。
Fig.1 出発!
今回出向きましたのは、我らが新潟県が誇る名峰、弥彦山。山そのものがふもとの弥彦神社のご神体(神体山)で、車で登れば弥彦山スカイラインなるワインディングロードが楽しめます。ワインディングあり、神社ありのたまらないお気に入りスポットです。
山は徒歩でも登れますが、私はもっぱら車で登ります。昔、親に連れられて嫌々歩いて登ったこともありますが。
その標高は634m、奇しくも東京スカイツリーと同じ高さを誇ります。
Fig.2 山頂から
現地に到着したのは朝8時、観光客は一人もいませんでしたが、工事の方と思しきハイエース、プロボックスなどが何台か停まっていました。
まあ、そういう方は大抵、道路や施設の修繕がメインでしょうから撮影スポットの方には来ないだろう、ということで気にしないことにしました。
とりあえずは、屋根のある休憩所で体制を整えます。ドールを取り出し、整えて……。
記念すべき初の野外撮影一枚目(Fig.3)は、なんだか不機嫌そうな写真になってしまいました。
それは良いとして、この休憩所、撮影準備などの拠点としてはとても素晴らしいものがありました。早い時間だったため誰もいなかったのはもちろん、休憩所はFig.4,5のような壁で仕切られていて、外からの眼隠しになる一方で、内側からは外を確認することもできます。
Fig.4 休憩所は程よく視界が遮られる壁で囲まれている
Fig.5 別角度から
Fig.6 本日の荷物
持って行った荷物はこんな感じです(Fig.6)。
赤いアディダスのドラムバッグはドールを入れるための物です。その隣にあるのはシンクタンクフォトのカメラバッグ。
それにしても、初めてドールをバッグから出すときはちょっと勇気がいりましたね。で、いざ休憩所から露天に持ち出すときもちょっと尻込みしてしまったりして。なんだか裸で外に出てるみたいな妙な心細さと緊張感と後ろめたさがあるというか……すぐ慣れましたけれど。
ってことで、さあ撮影だ!
いつ他の人がやってきてもすぐにドールを隠せるよう、バッグは常に身近に置いておきました。手首パーツの交換もできますしね。
Fig.7 撮影は開けた場所で行いました
ここからは写真ばかりが続きます。
Fig.8 看板とちふみちゃん
Fig.9 海をバックに撮影
Fig.9の背後にうっすらと見えるのは佐渡です(多分)。
余談ですが、佐渡には「離島戦隊サドガシマン」なるご当地ヒーローがおり、その中の一人が「シマナガシーブルー」……ブルーってレベルじゃない!! しかも前科者という設定!!
Fig.8と9は、どうも青色がドぎつすぎるのですが、そういう補正はかけていません。不思議です。
(と思ったら、別PCで確認するとそこまで不自然じゃない。なんだこれ、モニタの問題かな?)
この日の天候は曇りで、夜には雨が降ったらしく地面は濡れたままでした。しかし撮影しているうちに雲は切れ、強烈な日差しとともに青空がのぞいたり、かと思えば雲に包まれたり……流石は山の天気。
Fig.10 晴れていたと思っても天気はすぐ変わる
Fig.11 たちまちガスる山頂
Fig.10,11は、スタンドを使わずに自立しています。平坦な地面ではない上、各関節の保持力も弱いので立たせるのは苦労しましたが、やっぱりスタンドが無い方が見栄えが良いので。
ポージングが限られてしまうのは痛いですが、出来るだけ自立させたいところです。結局今回はスタンドは一度も使いませんでした。
なお、Fig.11の奥にロープウェイや展望台が小さく写っていますが、これを更に奥へと進んでいくと弥彦山の頂上に行きつきます。
Fig.12 風は時々吹きました
天候はというと、じっとりと湿った冷たい風が吹いてくる感じで、涼しいことは涼しいですがあまり気持ちよくはありませんでした。日が出れば遮るものもないので、当然暑いです。
山頂での撮影は、人が一人でも来たら終わりにしようと思っていたのですが、なかなか他の人はやってきません。結局2時間くらい撮り続けていました。
しかし、いざ人がやってきたときは「ビクゥッ!!」ってなりましたね。撮影に夢中になっていたこともあって結構近くに来るまで気づかなかったので、慌ててドールをバッグに仕舞い、そそくさとその場を後にしました。
最初こそ、周囲を気にして怪しいくらいにコソコソしてるんですが、だんだん調子が上がってくると大胆になってきてしまって……。
山頂の広場を後にしてからは駐車場の隅っこに停めておいた車で撮影しました。
愛車とちふみちゃん。この組み合わせだけで、つまみ無しで一晩飲み明かせますね。
Fig.13 愛車とちふみちゃん
Fig.14 その2
普通の人間が自分の車に腰かけたり寄り掛かったりしようものなら、ちょっとここには書けないくらい汚い言葉(長岡弁)で罵った挙句、間違いなく熱い拳を4,5発はお見舞いするでしょうが、ちふみちゃんは目に入れても痛くない愛娘(ドール)なので何をしても許されます。
Fig.15 窓から顔を出してもキュート
Fig.16 もっと正面から撮りたかったのですが、思いっきり自分が車に写り込むため断念
Fig.17 おんもが気になるちふみちゃん
「車とドールを絡めた撮影は、別に弥彦山でやらなくてもいいかな」と思ったのですが、周囲の景色が多かれ少なかれ写りこむことを考えると、自宅で撮るのはちょっと……ということに気がつきました。また、ご近所の方に目撃されようものならジ・エンドですから、この機会に撮っておいて良かったです。
Fig.18 撮影終了
では、実際に野外撮影を終えてみての感想。
・ドールは一体が限界(私には)
二体も面倒を見るのは私には不可能です。特に撮影中の持ち運びと、何より人が来た時に二体だと素早く隠せないと思います。二体のドールを絡めての撮影はとても面白そうなのですが、当分はどちらか一方とのお出かけになりそうです。
今の段階で二体持ち出しても、どちらにも中途半端にしか手をかけられず、満足いく撮影は出来ないかと。
・素早く隠せるように備えておく
他の人がやってきたときに素早く隠せるようにしておくことは大事だと感じました。今回はバッグを常に身近に置いておき、すぐに仕舞える体制を作っておきました。野外撮影熟練の方のブログなどを拝見すると、バスタオルなどの大きめの布も使えそうですので、色々試してみたいと思います。
また、いつでも撤収できるよう、道具は広げず常にバッグの中でまとめておくよう注意したいです。今回、他の人がやってきた際慌ててその場を去り、後から「あれ? 手首パーツの数が足りないぞ!?」 という事態に陥りました。パーツは結局バッグの隅っこから発見されましたが、予期せぬ紛失が無いよう、むやみにその辺に置いたりしないようにしたいと思います。
・ポージングが単調
撮った写真(ブログ未掲載分)を見ていると、大抵どの写真も帽子に手を当てたポーズになっていることに気が付き、自分の引き出しの少なさに愕然としました。帽子を押さえてるポーズって可愛くて好きなのですが、どれもこれも同じポーズじゃ流石に飽きます。ポージングは勉強しないと……。
・レンズは35mmで「使える」手ごたえ
35㎜はかなり使えると感じました。特に、ドールを入れつつ風景も入れたいというときには程よい画角です。もう少し広角でもいいですが、そうすると周辺部の歪みが気になってくるので、構図を考えるときにちょっと難しいかと思います。逆に50㎜では望遠寄りで、背景の切り取り方に少し苦労するだろうな、と感じました。また、今回の撮影はすべてsigma 35mm F1.4 DG HSMを使い、逆光となるような条件での撮影も行いましたが、気になるゴーストやフレアは見られませんでした。
今しがた書いた通り今回のレンズは解放F1.4ですが、昼間の野外撮影であれば大抵光量は十分に確保できることと、周囲の風景もドールと併せて写したい場合が多いことを考えると、F1.4の明るさは果たして必要なのかどうか、とは思います。もちろん目指す撮影の方向性(ボケを活かした印象的な写真を作るのか、背景まで含めた記録写真としての意味も持たせるのか)によっても使い分けが必要でしょうが、今回の撮影ではF1.4はあまり活用しませんでした。
使用頻度の多かったF値はF9くらいです。これは背景まで写したかったということに加え、日差しが強めだったため、絞らないと最小シャッター速度(1/8000)でも露出オーバーになってしまうことがあったからです。
今回のような使い方をするのであれば、レンズはEF24-70mmF4Lなどでも良さそうです。ズームがある分遊べそうですし、簡易マクロもついていますから。で、70Dには35mmを付けて標準域担当にする、と……夢(妄想)が広がりますなぁ。
ということで、初めてのドール野外撮影でした。
次回はいよりちゃんを連れて、どこか別の場所へ行こうと思います。
おまけ
Fig.19 地ビール……でも飲んだら下山できない
地ビールが飲めるらしいのですが、毎回車で行くので飲めません。景色を眺めながら一杯やったら最高なんでしょうけどね。
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