2014年7月30日水曜日

DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その2

途中に別の記事をはさみましたが、「その1」からの続きになります。



可愛い可愛いドールのため、日本刀のプラモデル製作を開始した私。接着のためにメッキパーツのやすりがけも終わったところでふと脳裏をよぎったのは……――?


……というのが、これまでのあらすじ。


今回は日本刀のプラモデル製作の方針を変更する、そんなお話。


前回はこちら↓
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その1



接着部分のメッキ落としを終えた私は、そのパーツを見てふと思います。


「……なんか、ちゃっちい……」


自分で塗装もしていないのである程度チャチなのは仕方ないとしても、金色メッキの鍔、これがいかにも「どうどう? 豪華絢爛でしょ?」みたいに主張していて、オモチャっぽさを強めてしまっている気がするんですよねぇ。

細部も雑で、パーティングラインはしっかり残ってしまっていますし、素地が荒れているせいでメッキ表面にも凹凸が目立ちます。通常のパーツであればやすりがけで整えられますが、メッキパーツであるばかりに整えることができません。これがまた、チャチに見せている要因の一つ。


Fig.1 メッキパーツ側面。パーティングラインが残っている


Fig.2 メッキの剥げ。私が不用意に傷つけたわけではなく、最初からこの状態


Fig.3 パーツの変形。ふち(写真上部)が反り返るように変形している



そしてなにより、可愛い娘(ドール)に持たせる刀が既製品でいいのか、ということです。もっとオリジナリティを出したいよ、と、よその娘(ドール)よりも良い物を持たせてあげたいよ、と、そう思うのは親(オーナー)として当然の心理なわけです。

娘にしてもそうでしょう。もしもよその娘(ドール)と会う機会があれば、手持ちのアイテム自慢になるのは女の子の性。そのときに持っている刀が既製品そのまんまでは仲間内で気後れしてしまうでしょう。それが、娘(ドール)のために創意工夫を凝らした唯一無二の逸品ともなれば


「え? この刀? わたしのために特別に作ってくれたの(自慢)」


と一目おかれる存在に……というのは、まぁ当然ながら勝手な妄想ですが、要は唯一無二の可愛い娘(ドール)なのだから、持たせるアイテムだってそれ相応のものを持たせたいわけです。バリが出たままの刀のプラモデルなんて持たせたくない!



というわけで、メッキ落としを決意しました。

折角、メッキを傷つけないよう気をつけながらやすりがけをしてきたのに……ランナーの切り口もタッチアップしてきたのに……それらは無駄になります。無駄になっても、やらなくてはならないのです!!(もっとも、接着面を平滑にしておくのはいいことなので全くの無ではないのですが)。


メッキを落とす前に、バリを削っておきましょう。やすりをかけるとこのように、凹凸のある場所はメッキが残るので分かりやすいですね。


Fig.4 パーティングライン消し途中


Fig.5 パーティングライン消し後(一部)



バンバン削ります。憎きパーティングラインもじゃかじゃか削ります。




で、メッキの落とし方ですが、金色のパーツはまず、その金(というかイエロークリア)を落とさなくてはなりません。シンナーで……あ、あれ?

なんか色がおかしいぞ……?


Fig.6 どうしちゃったのシンナー……?



長年(多分5年以上)使わなかったせいで、シンナーは劣化していました。買いに行ってもいいのですが、作業中って集中して進めたいですよね。出来れば出かけたくない、というわけで手持ちのアイテムで挑戦します。

ぱっと思いついたのが、我らがリキテックスリムーバー。頑固なアクリル絵具も一発で落とすこいつなら……と、マジで使っちゃう5秒前だったのですが、ふと我に返り、まずはリムーバーがプラスチックを侵さないかテストすることにします。

キムワイプにリムーバーをしみこませ、ランナーにまきつけます。待つこと10秒……プラスチックが溶けました。


あぶねー!!!


いきなり本番だったら、もう一つキットを買い直すはめになっていましたよ。危ない危ない。

続いてためしたのが、ホビーカラーうすめ液。ランナーでのテストをクリアしたので、早速漬けてみると


Fig.7 ドールメイクでおなじみ薄め液



おお、落ちてる落ちてる!


Fig.8 メッキパーツトップコート剥がし



あっという間にトップコートのイエローが落ち、銀色になりました。

続いてこの銀色を、塩素系漂白剤で落とします。

適当に2倍くらいに希釈した漂白剤に漬け込み、30分ほど放置。

すると


Fig.9 メッキ除去後。パーツ全体の写真は撮り忘れました



綺麗になりました。


では、鍔部分を接着。


Fig.10 鍔と縁金

Fig.11 鍔と縁金を接着


Fig.12 はばきも接着



接着剤を片方にだけ少量つけ、固まる前に位置を微調整しました。塗装後に組み立て・接着しても良かったのですが、先に接着してしまえば接着面のマスキングを省略できるので先にやっちゃいました(が、接着後の隙間をパテ埋めしなかったので、塗装後、隙間から白い素地がのぞいてしまいました……重ね塗りしてるうちに何とかなりましたけど)


塗装の下準備として、マスキングテープで接着部分を覆っておきます。塗装後に接着部だけを削るのは面倒ですし、折角メッキも落としてプラがむき出しになっているので、これを利用することにしました。


Fig.13 マスキング途中


Fig.14 マスキング完了



Fig.14で分かる通り、マスキングは一回り小さめにしています。淵部分周辺は接着後、パーツ同士の合わせ面の内側に入るので基本的には見えないはずですが、角度によっては隙間から中が見えてしまう可能性があり、白いプラの素地が見えるとかなりダサいので、ややマージンを取って塗装することにしました。


割りといい加減ではありますが、はばきの内側もマスキングしてます。この部分は刀身と鍔の接着部位なので接着面保護のために。


Fig.15 はばき内側もマスキング




さて、いよいよ塗装です。

今回は、渋く決めるということで、塗料はMr.カラーの黒鉄色にしました。

とりあえず一回目


Fig.16 黒鉄色スプレー(一回目)



う~ん……



(……サフを吹くべきだったか……?)





ちょっと不安になりましたが、何回か吹いていくとだんだん良くなってきました。で、最終的に、元は金色だったパーツはFig.17のように塗装出来ました。


Fig.17 黒鉄色塗装完了



重ねた回数は5,6回くらいでしょうか。ちょっと膜厚が気になりますが、はまらなかったら削ればいいということで。


1日乾燥時間を置いてから、続いてクリアを吹きます(1日では本当は短いのかもしれませんが、せっかちなもので)。


クリアは半光沢です。鞘がつやありの鏡面仕上げなので、鍔などのパーツは半光沢で鈍い金属っぽい仕上がりを目指します。


Fig.18 半光沢クリア吹きつけ前後。左:クリア施工後、右:クリア施工前



Fig.18では分かりにくいですが、良い感じです。


他のパーツも全て同様に半光沢クリアを吹き、乾燥後、いよいよマスキングテープを剥がします。個人的に、このテープを剥がす時が一番好きです。


目貫パーツの牛。塗装バリが出ていて、なんだかカメレオンみたいになっています。このバリは簡単に削れるので、つまようじのような適度に柔らかい物で軽く撫ぜます。


Fig.19 塗装バリ除去前


Fig.20 塗装バリ除去後



綺麗になりました。


Fig.21 マスキングテープをとりました。


他のパーツも全てマスキングを剥がし、塗装は完了です。



よし、後は乾燥するのを待ってから組み立てるだけ……


と思っていると、またしても胸の内に去来する思いが。



「なんかさぁ……銀メッキの刀身って、ショボくね?」



あーあ、あーあ、気にしちゃった。気にしなければどうということもないのでしょうが、一度気になってしまうともう駄目です。気になる! すっごい気になる! 私気になります! なんだよこの銀メッキ、オモチャかよ(オモチャです)。


メッキが、少しのバリもブツもない完璧なものなら全然問題ないのですが、バリが出まくっててみすぼらしいんですよね。挙句、素地のプラスチック成型が汚いため、刀身がざらざらなんです。たとえばFig.22をご覧ください。メッキ除去後の写真になりますが、刃の側に白っぽいホコリのようなものがポツポツとあるのがお分かりかと思います。これ、ホコリではありません。プラスチック表面の微細な凹凸です。当然、メッキも凹凸だらけ。




Fig.22 刀身部の凹凸



ってことで、メッキをはがして表面を整え、塗装し直します。




さあ、刀身のメッキを落として、とうとう戻れないところまで来てしまいました。どんどんと深みにはまっていく、私の明日はどっちでしょう?

次回に続く!



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DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その2(今回)
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その3
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その4
DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! その5
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DD用に日本刀のプラモデルを作ろう! 総集編

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