2014年9月3日水曜日

オデッセイ(RB3) レーダー探知機取り付け




……。





…………。




やってしまいました。



私はレーダー探知機を車に取り付けているのですが、ある日、エンジンに連動して起動するはずのレーダー探知機が起動していないことに気が付きました。おかしいと思いスイッチをON/OFFするも反応なし。

電源はメーターのヒューズから取っているのですが、メーターには異常なし。ということはヒューズは切れていないはずです。

壊れた!? と慌てる私。とりあえずこういうときはソ連式に直してみましょう、ってことで叩く。叩く。……で、冒頭の通りミラーにひびが入りました。


うそでしょ? そんなに強く叩いてないですよ?



しかも、詳しく調べてみるとレーダー探知機本体は壊れておらず(叩いたせいで割れましたがそれは別として)、電源に接続しているケーブル側の断線が原因ということが判明しまして、やるせない気持ちを加速させてくれます。

ぐああああああ!!!!! 無駄な出費! イチマンエン!!! イチマンエンだぞこのバカ何やってんだ私!!!


というわけで新しいレーダー探知機を用意したので、それを取り付けるお話です。


この先、途中で偉そうに(そういうつもりはないですが)回路のつなぎ方について解説していますが、これは毎回電気工作するたびに「あーでもないこーでもない」と一から調べ直しているアホな自分のための備忘録ですのでご容赦ください。


あと、言うまでもなく、作業は自己責任にてお願いします。


あああ、この一万円があればドールに服を買うこともできましたし、どこかへ出かける資金にもなりましたし、カメラのレンズ……は無理があるにしても三脚を買う足しくらいにはなったでしょうし……。


後悔先に立たず、短期は損気。はぁ。


もういっそ買い直さずに普通のミラーでもいいかとさえ思ったのですが、旅先での取り締まり場所とか、オービスの位置とかを教えてくれるのは安心感があったのでやっぱり私には必要なものです。

安全運転すればいいだけだって? いや、その……ね? 念には念を、的な……ね。



ってなわけで、購入。コムテックの、ZERO53Mです。これを選んだ理由はしごく単純、新しいモデルで、安かったから、それだけです。


Fig.1 新しいレーダー探知機



見た目がすっきりするのと、車のダッシュボード上に張り付けるのに抵抗があるので、私はもっぱらミラー一体型のレーダー探知機を使っています。場合によっては、ミラーが重くなるせいで可動部分がお辞儀してしまうことがあるらしいですが、私の場合は大丈夫です。



Fig.2 新旧比較(ビニールをかぶっているほうが新しい)



Fig.2で大きさを比較していますが、先代(確か、コムテックのZERO773M)よりも少し小さくなりました。実用上は十分です。

レーダー探知機の取り付けはこれで4回目です。先代のレーダー探知機を取り付けたのが一回目、弟の車につけたのが二回目、大学時代後輩の車につけて三回目、で、今回が四回目。ここまでくればもう慣れたものです。ただ面倒くさいです。そして、壊れたものを新しいのと取り換えるだけなのでワクワクもしません。更に、その原因が自分にあるせいで、気分も乗りません。


ボヤいても仕方ないので、ちゃっちゃとやります。


まずヒューズボックスの位置から。
オデッセイのヒューズボックスはアクセルペダル上方です。運転席の足元スペースに仰向けになって頭を突っ込むという、通常ではあり得ない格好になると見つかります。
ちなみにホンダ車は(少なくともオデッセイは)ヒューズボックスがむき出しになっているので覗けばすぐに分かるはずです。他メーカーは大抵、ヒューズボックスにプラスチックのカバーが被せてあるのですが……この簡素さがホンダらしいですね。

まあ自分で配線する場合、ヒューズボックスからコードを分岐させるのでカバーがあると却って邪魔ですから、結果オーライ……かな?


しかし、アクセルペダル上方にヒューズボックスがあるってのは何とかならないんですかね。何が悲しくて運転席の足元スペースに頭を突っ込まなくてはいけないんですか。いじりづらくて仕方ないったら。
スバル車なんかはアクセサリーボックスの裏にヒューズボックスがあるので、無理な体勢になることなく電装系の配線をとれるから楽なんですけどねぇ。


閑話休題。

配線ですが、Fig.3のようにします。


Fig.3 目指す配線図(赤線)



良くある形ですね。運転席足元のヒューズボックスから電源を取って、ケーブルはダッシュボード内部からAピラー内部、さらに天井の内張りへと通します。これにより、配線はほとんどすべて内装の中に納められるので、外から見たらとってもすっきりというわけです。

とりあえずAピラーの内張りを剥がし、旧い配線を引っこ抜きます。内張りは、内張り剥がしという樹脂製のヘラを使うと傷をつけることなく剥がせます……が、過去に一度剥がしたことのある内張りは、大抵クリップが緩んでいるので素手で強めに引っ張るだけで簡単に外れます。必要に応じて、ドア開口部のゴムパッキンを外しておきます。

オデッセイはAピラー根元にツィーターがうめこんであり、ツィーターからはオーディオ用のケーブルが伸びています。こいつは簡単には外れません。が、配線には多少の遊びがあるので大丈夫。上方向に引っ張ってピラーごと外したら、ダッシュボード上にでも転がしておきましょう。

また、足元部分の内装も剥がした方が圧倒的に作業が楽です(Fig.4-5)。剥がさなくても出来ますが、剥がすことを強く推奨します。


Fig.4 先にドア開口部足元のカバーを外します


Fig.5 その後、ヒューズボックス周辺のカバーを外します



電源をどのヒューズから取るかですが、まずはキーを回した時にアクセサリーに連動しているヒューズを探します。常時通電のヒューズにつないでしまうと、キーをOFFにしてもレーダー探知機がつきっぱなしになってしまいますので。

ってことで、テスターを使います。ヒューズ頭の金属がむき出しになってる部分(Fig.6の、アンペア数の左右にある銀色の凹み部分)にテスターの片方を当て、もう一方はボディアースして電圧を測定します(テスターを両方ヒューズ頭に当てても良いんですが、そのスペースが無いので)。キーOFF時は0V、キーを回すと12Vの電圧がかかるヒューズを探します。


Fig.6 室内ヒューズボックス



今回は、18番のヒューズ(Fig.6ほぼ中央・右寄りの7.5A)を使います。説明書を見ると、この18番ヒューズはアクセサリー用ということなので安心して使えますね。さすがにECUのヒューズから分岐させる気にはなれません……。

これまではメーターのヒューズから取っていましたが、今回はやめました。というのも、メーターのヒューズを抜き差しすると、車側がそれを感知してエンジン警告灯を点灯させるんですね。気にしなければそのうち消えるんですが。

ってことで、カー用品店でヒューズを分岐させる奴を買ってきました(当たり前ですが、アンペア数は合わせてます)。


Fig.7 分岐させるやつ



普通のヒューズの肩を削ってはんだ付けしただけという簡素な作りで、自分でヒューズを加工して作れるレベルですが、だるいので買います。400円くらいですし。

18番に元々刺さっているヒューズをラジオペンチで引っこ抜き、買ってきたヒューズ電源を取り付けるのですが、このヒューズ、適当に挿せばいいわけではありません。


Fig.8 ヒューズ電源取り付け方向(矢印は電子の流れ)



刺し方としては2通りあり、Fig.8のAとBが考えられます。正しいのは配線Aで、ヒューズ部分の前で分岐するように向きに気をつけて取り付けます。ヒューズの後ろで分岐する配線Bでは、ヒューズにレーダー探知機分の電子まで上乗せされることになりますから、最悪ヒューズが飛びます。レーダー探知機程度であれば気にする必要もない程度ではありますが、取り付けるたびに「どうだったかなぁ」と悩むので、メモ代わりに残しておきます。

どちらから電気が来ているかはテスターでチェックします。テスターを電圧測定モードにして、ヒューズを外した端子穴にテスターの片方をぶっさし、もう一方はボディアースします(このとき、当然キーはACCまで回しておく)。テスターを刺した端子側から電気が来ていれば、電圧がかかります。すなわち、そちら側で分岐させればよろしい、と(テスターも、あまり使わないので使い方を忘れてしまう)。


ここにきて問題発生です。

このキットにはシガーソケット接続用のケーブルしか同梱されていないので、ヒューズボックスから電源を取るにはFig.9のこいつを加工しなくてはなりません。それは購入前から分かっていたので大したことではありませんが、予想外だったのはそのコネクタ形状です。


Fig.9 付属していたシガーソケット電源



なんだこれ……今まで使っていたケーブル(Fig.10)とコネクタ形状が違うじゃん!


Fig.10 今までの端子形状



普通の12V電源用の端子ではなく、ちょっとハイカラで、データ通信できそうな感じの端子です(OBDIIに対応しているためでしょう)。ケーブルも、今まではプラス側とマイナス側二本のケーブルがあったのに、これは一本だけ……。

これは専用の接続ケーブルじゃないといかんか……と途方に暮れかけたものの、よく見れば(良く見なくても)シガーソケットから電気を取っているという基本構造は同じです。ということは恐らくこの一本のコードは見た目だけで、内部にはプラス側とマイナス側2本のコードが収まっていると見た!!

ってなわけで、思い切って切断。

どうせこのままでは使えませんから、ダメもとでさくっと切りましょう。


で、切ると切り口からは見慣れた二本のケーブルが(Fig.11-12)。やはりそうか!



Fig.11 コード切断面(ぼけてますが)


Fig.12 外側の被服をはがし、内部の線を露出



ここまできたら勝利は目前ですね(厳密には、ソケット内部に抵抗器が入っている可能性もあり、その場合は素直には使えないのですが、ソケットの大きさ的にそれは無いと判断しました。本気で確かめるならソケットをペンチで破壊して内部を見るのが早いかと)。



さて、後はどっちがプラス側でどっちがマイナス側かという問題ですね。多分赤い方がマイナス側(上流)なんですが、一応チェックします。

使うのは、切り落としたソケットです。

まずはソケットの形状から見ていきましょう。Fig.13の通り、ソケット先端には金属製の出っ張りがあり、また、両脇からも金属ばね状の腕が伸びていますね(人間が腰に手を当ててるような部分)。シガーソケットに差し込むと、この金属端子がそれぞれ車のマイナス側とプラス側に接触し、通電するわけです。車の電源は直流電源ですから、どちらかから電気が流れ込んできて、どちらかから流れ出ていくはずですね。が、外から見ただけではどういう向きで電気が流れるかは分かりません。

ということで、分解しましょう。ソケットの中にはヒューズが入っています(Fig.14)。


Fig.13 ソケット先端はネジ式なので簡単に外せます


Fig.14 外すとヒューズにつながっている



ヒューズというのは回路を保護するための物ですから、自ずと回路よりも上流側に位置することになります。つまり、ヒューズとつながっているケーブルが上流側、そうでないのが下流側となります。切り落としたケーブルから芯をちょっと引っ張り出し、ソケット脇から伸びている金属の腕(?)と黒い線で導通チェックしたら通電しました(Fig.15)。


Fig.15 ソケットを利用し、赤/黒線の導通を調べる



すなわち、黒いケーブルは下流側(ボディアースする方)につながっているということです。ってことは赤いケーブルが上流側(車のヒューズ電源につなぐ方)ですね。まとめると、Fig.16のようになります。


Fig.16 シガーソケット内での電気の流れ



ケーブルの被覆を剥がし、簡易的につないで(指で押さえただけ。あんまりよくない)キーを回してみると……レーダー探知機作動! これで配線が正しいことが確認できました。


あとは綺麗にまとめるだけですが、その前に配線を簡単に通しておきましょう。ダッシュボード内は、ばらした針金ハンガーをガイドとして通し、そこに通したい線をくっつけ、引っ張って入れていきます。今回は旧い配線が既に通っていたので、針金の代わりにこれをガイドとして利用しました。


Fig.17 ダッシュボード内配線(赤線部。実際は内部に入っているので外からは見えない)



ちなみにこの後、ケーブル末端を処理するのですが、先に末端処理してしまうとケーブルが頭でっかちになってしまって狭い場所に線が入らなくなります。なので、ダッシュボード内等の配線は済ませてから末端処理を行った方が良いでしょう。


では、ケーブル末端を処理しましょう。黒い線(ボディアース側)はフレームに直結しているボルトで締結するので線むき出しでも良いんですが、見た目も美しくないですし、万が一の短絡防止のためにもU字端子で覆っておきましょう。

この黒い線はかなり細く、そのままでは圧着部分がすっぽ抜けてしまう恐れがあったので、かなり多めに被服を剥がして4回くらい折り返して体積を稼いでいます(Fig.18)。


Fig.18 線が細いので、安定して圧着させるため大目に被服をはがす



圧着部位は二か所あります。端子の先端側は金属線むき出し部分を圧着し、端子の根元側はビニールに被覆されている部分を圧着します(Fig.19-21)。


Fig.19 こよった線を差し込み、電工ペンチで圧着


Fig.20 根本も圧着し、あらかじめ通しておいたスリーブをかぶせる


Fig.21 完成



赤い線(7.5Aヒューズの分岐に接続する方)は線をこよって束ねてギボシ端子(オス)で覆います(Fig.22)。


Fig.22 もう一方も、端子形状こそ違えどやることは同じ



ヒューズ電源側には購入時点ですでにギボシ端子(メス)がついているので、そこにギボシ端子(オス)をはめ込み、スリーブで保護します(Fig.23-25)。ギボシ端子同士の接続は結構固いことがありますが、パチンとしっかりハマるはずなので、力いっぱい押しこみましょう。


Fig.23 ヒューズ電源(茶)とレーダー側(赤)をつなぐ


Fig.24 奥までしっかり差し込む


Fig.25 スリーブをかぶせてショートを防ぐ



一方U字端子をつけた方は、適当なボルトを探してそこに締めつけます。今回は、丁度いい位置にボディアースに使われているボルトがあったので、ここにお邪魔させてもらうことにします。Fig.26中央に写っているボルトに5つくらいU字端子が集まっていますが、今回私が取りつけたのは唯一手前を向いている端子です。


Fig.26 ボディアース側はボルトに締結



後は、既存の太い配線を利用し、余った線を結束バンドで固定します(Fig.27)。Aピラー内部も同様です。結束バンドはあまりケチらず、バンバン使いましょう。そうでないと、運転の振動で配線がばたつき、異音の元となります。


Fig.27 余った線はまとめてバンドで固定



余分な線は切ってしまってもいいのですが、ケーブルが断線した時に備えてある程度残しておきました。特に今回取りだした赤い/黒い線は非常に細く、心配になるくらいだったので。


天井は、サンバイザーを取り外してから線を通しましょう。そうしないといずれ線が垂れ下がってくることになります(Fig.28)。


Fig.28 バイザー部の配線



サンバイザーの外し方は次のとおり。

左のクリップは簡単に外れます。45度ほど反時計回りに回して、引っ張るだけ。


Fig.29 バイザーのクリップ


Fig.30 反時計回りにひねる


Fig.31 丸ごと外れる


バイザー本体はちょっと面倒ですが外れます。フロントウインドウ側にFig.32のようなぽっちがあるので、これを押し込み、写真向かって右側(助手席側)へ回します。目一杯回したら、後は引っ張るだけで取れるはずです(Fig.33-34)。


Fig.32 へこみ内部のぽっちを押し込みながら回す(この写真だと右方向に)


Fig.33 丸ごと外れる


Fig.34 穴



めでたくバイザーが取れたら、バイザー取り付け部の上に線を通します。で、外す時の逆回しで、再び取り付け。


最後に改めてエンジンをかけて問題なく動作することをチェックし、今まで外した内装を再び取り付けて完成です。

ってなわけで、お仕舞い。


最終的な完成図ですが、実はFig.3が完成した姿だったりします。作業前に写真を撮るのを忘れていたので、全てが終わってから撮影しました。てへてへ。

0 件のコメント:

コメントを投稿