2014年9月16日火曜日

ドール服の収納を考える

ドール趣味を始めると服がたまってきますよね。やっぱり自分の家の子にはいろんな服を着せてあげたいと思うものです。自分の服を買うくらいならドールの服を買う、そういう方も多いのではないでしょうか。少なくとも私はそういうクチです。

その昔は服も少なかったので畳んで置いておけばよかったのですが、増えてくるとそうもいきません。最近では整理・収納が追いつかなくなり、ドールの服は適当に丸めてクローゼットの中に入れてある始末です。これではどういう服を持っているのかが一目で分かりづらい上、しわになったり、ふとした拍子に汚れたりという恐れもあります。




あまりに整理がつかないありさまには、うちの子たちも閉口する始末。どうやらそろそろ、服の収納を本気で考えなければならない時が来たようです。

ってなわけで、東京ではドールショウが開催されているのを尻目に収納についてあれこれするお話。




なにはともあれネットで情報収集です。調べると皆様の収納方法は、主に二つの方法に分けられるようです(当社調べ)。


◎パッキング型(便宜上そう名付けます。私が勝手に呼んでいるだけです)

服をジップロックのようなチャックつきポリ袋に畳んで入れる方法。

メリット
・乾燥剤・防虫剤と一緒に入れられるので安心
・小物のある服はまとめて収納できる

デメリット
・取り出し・収納が面倒




◎クローゼット型

ドールサイズのハンガーを自作し、それに服をかける方法。

メリット
・取り出しやすく、仕舞いやすい
・保有している服が一目でわかるのでコーディネートが楽

デメリット
・環境によって、乾燥剤・防虫剤との併用は難しい(封のできる棚ならOK?)
・ハンガーを自作しなくてはならない


というわけで、どちらも一長一短といったところでしょうか。

色々考えた結果、私はクローゼット型の収納で行くことにしました。やはりドールは服を着せかえてなんぼですから、すぐに服を取り出せて、すぐに仕舞えるという利便性を重視しました。
パッキング型は、乾燥剤と併用することで服を長く使えるという点が非常に魅力的ではあったのですが、毎回着せたい服を袋から取り出し、終わったら畳んで仕舞い直す、というのがすごく手間に思えました。特に、服をとっかえひっかえ合わせてみたいときなどは試したい服を逐一袋から出さなくてはなりません。服の着せ替えというのはドールの大きな特長の一つですから、気が向いたら気軽に楽しめるようにしておきたいものです。
もっとも、小物も一緒に収納できるのはパッキング型の素晴らしいところですから、たとえば季節性の強い服(コート、浴衣など)はひとまとめにして来シーズンまでパッキング、という風に使い分けたいと思います。そういうわけで、浴衣は早速袋に詰めました(Fig.1)。


Fig.1 浴衣はまとめてパッキング。また来年。



言うまでもないことですが、私の性格的に合わなかったというだけであって、パッキング型の収納をされている方を批判する意図は一切ございません。


さて、それではクローゼット型収納の要であるハンガーを作りますか。

取り出しましたのは、ビニールで被覆された針金(Fig.2)です。太さは0.9mm、長さ10m、芯材は鉄です。ホームセンターで124円で購入できました。


Fig.2 使用した針金




こいつを適当な長さに切って、ドールの服に合わせて適当に曲げればハンガーになるはず!



で、試作一号がFig.3。


Fig.3 ハンガー試作一号



……うわぁ。

いや、使えますよ? 普通に使えますけど、フリーハンドで適当にぐにゃぐにゃ曲げただけでは、あまりにも見た目があれですよね。せっかくならもっときれいなハンガーを作りたいところです。


ということで、本気を出します。

以下、ハンガーの作り方の解説になります。こんな物の解説必要ない気もしますが、自分が将来ハンガーを増やす時に備えて、出来るだけ同一のものを作れるようメモっておきます。


まず、針金を適当な長さにカットします。私の場合、ハンガー一つにつき約30cmとしました。
円柱状のモノに当てて、フック部分を作ります。0.9mm程度の針金であれば、苦もなく曲がります。


Fig.4 フック部分成形



そして、針金を曲げるための台座を用意します。


Fig.5 台座



台座といっても板に釘を打ち込んだだけのものです。ドールの服の大きさに合わせ、斜辺65mm、底辺115mmの二等辺三角形を基本の形とし、各頂点に釘を打ちました。それだけです。

なお、Fig.5の板に白い紙が敷いてあったり、釘にガムテープが巻いてあったりするのは、板が汚なかったり釘がさびていたりしたので針金に汚れが付くのを防止するためのものです。綺麗な板、新品の釘を使う場合は必要ありません。


後はこれに合わせて針金を曲げるだけです。曲げるときは、若干針金を引っ張り、たるまないようにしながら曲げると綺麗に仕上がります(Fig.6-7)。


Fig.6 成形開始。針金部分に沿わせて曲げる


Fig.7 針金はピンと張った状態で曲げる



三角形になったら台座からはずします。さて、ここでフック位置の微調整です。フックの位置が、ちょうど底辺の中心線上に来るように針金の角度を調整します(Fig.8-10)。こうしないと出来あがったとき、綺麗な二等辺三角形になりません。また、既に低角部分の針金は折れ曲がってしまっているので、一度完成してしまったら調整するのは至難の業です。この段階でしっかり直しておきましょう。


Fig.8 微調整前。綺麗な二等辺三角形になっていない


Fig.9 向かって左の低角を調整することで、二等辺三角形の形を整える


Fig.10 微調整完了



調整が済んだら、もう一方の針金とクロスさせ、ラジオペンチでつまみます(Fig.11)。そして、はみ出ている方をねじります(Fig.12)。これを逆にする(フック側をペンチでつかみ、三角形の方をねじる)と、せっかくきれいな三角形に調整したのに針金が歪んでしまいますのでご注意を。また、ラジオペンチは固定しておき、針金は指でねじることをお勧めします。少し指が痛くなりますが、ラジオペンチでねじるとビニールの被覆がぼろぼろになります(実用上問題ないですが)。


Fig.11 三角形の頂点やや下をつまむ


Fig.12 ラジオペンチで支えたまま、フックの方をねじる



あとは余分な針金を切り、微妙な歪みを整えれば完成です。


Fig.13 完成



どうです、この仕上がり! 試作一号とは大きな違いです。


Fig.14 試作一号(左)との比較



今回は、10mの針金を全て使って29個のハンガーが出来上がりました。計算上は33個出来るはずですが、やや余裕を持って針金をカットしたので少し収量が下がりましたね。まあ、この程度なら想定内です。


Fig.15 ハンガー大量生産



それでは、早速服を収納しましょう。とりあえず、持っている服はFig.16の通りです。


Fig.16 ドール服整理前



収納場所は本棚の天板を外したものを流用します。ここに突っ張り棒(100円均一)を張り、ハンガーをかける、それだけです(Fig.17)。


Fig.17 整理後



ということで、無事に収納できました。棚の下段には、靴下などを収納した小物ケースや、タンス用除湿剤でも入れておこうと思います。


自作したハンガーの使用感ですが、特に問題はありません。針金の太さが0.9mmで、保持力がやや不安だったのですが、重たいワンピースの制服(ボークスのミッション制服高等部。Fig.17最右に掛ってるやつ)でもしっかり保持できています。
ただ、ハンガーを作る際に、フック部分の首をもう少し長くしておけばよかったです。取り出すときにハンガーの三角形部分が突っ張り棒にぶつかってしまいます。といっても、それほど大きな不便でもないので作り直しはせず、次回追加で作るときからは気をつけたいと思います。



しかし一つ計算外だったのは、既に収納スペースがほとんど埋まっているということです。ど、どうしよう……。

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