2014年10月5日日曜日

RX100M2とG7 Xを比較してみて

G7 Xを購入し、実際に触ってみるとRX100M2との違いに気づかされることが多々ありました。価格帯的にも、恐らくG7 XとRX100M2は真っ向からのライバル機となると思われますので、両者を所有したことのある立場から、感想を述べたいと思います。

あとついでに、RX100(初代)も所有していたことがあるので、それについても少し。


カメラネタで引っ張るつもりはなかったのですが、一つの記事にするとべらぼうに長くなるので分けることにした次第です。

今回は、そういうお話。


過去の記事と被る部分があるかと思いますが、ご容赦のほどを……。

関連記事はこちらです↓
RX100M2ユーザーとしてG7 Xを考える
G7 Xを触った所感報告
Canon G7 X購入しました



・サイズ・外観

両者の公称値(WxHxD)は次のようになっています。

RX100M2・・・101.6 x 58.1 x 38.3 mm
G7 X・・・103 x 60.4 x 40.4 mm
RX100・・・101.6 x 58.1 x 35.9 mm

G7 Xが各方向に数ミリずつでかいですね。ですが、普通に使う分にはこの数ミリの大きさがネックとなることはほぼないと思います。「あぁー、あと1ミリ幅が短かったらなぁ~」なんてシーン、日常でまずないですよね。ただ、もちろん持ち比べればサイズが大きいのははっきり分かります。これを許容できるかどうかは個々人の好みということで。私は違和感なく持ちかえられました。
また、RX100シリーズはボディの角がカクカクとエッジが効いているのに対し、G7 Xの角は丸められているという微妙な違いもあります。そのせいか、G7 Xはややシャープさに欠けるというか、野暮ったい印象を受けるのが残念なところです。

その他外観についてですが、RX100M2はホットシューが付いており、軍艦部が平らでなくなってしまいました。これは個人的に大きなマイナスで、見た目がスマートでないことに加え、ケースへの出し入れでも引っ掛かることがしばしばありました。正直ホットシューは要らないと思っていたので、G7 Xはその点余計な出っ張りがなく、好印象です。初代RX100は言わずもがな、バリアングルすらついていないのはちょっと痛いですが、その分最もスマートなのでこの3台の中では一番好みです。


・操作性

G7 Xのレスポンスはかなり良いと思います。UHS-I対応ということもあり、データのへのアクセスも早く、快適です。撮影後すぐにデータを見たいというときも素早く表示してくれますし、撮影した直後に電源をOFFにしても、タイムラグ無しでレンズを収納してくれます。特にこの電源OFFからレンズ収納までのラグはRX100シリーズでさんざん悩まされてきたことで、これがG7 Xで解消できたのはとても大きいです。正直、せっかちで短気な私としては、これだけで10000円くらいの価値があります(個人の感想です)。


また、RX100シリーズとG7 Xの操作性の違いとして、露出ダイヤルの有無と、コントロールリングのクリック感が上げられると思います。
個人的にはどちらもありがたい装備です。露出ダイヤルは、普段一眼レフを使っている癖で割と頻繁にいじるので、独立したダイヤルになっているのは重宝します。
また、コントロールリングのクリック感も、欲しかった機能の一つです。RX100、RX100M2のコントロールリングは無段階で回るため、F値を変えるときなど回しすぎてしまうことがありました。マニュアルフォーカスやズームなどの際は良いのでしょうが、段階的に数値が変わるF値やSSではクリック感が欲しいと思っていました。なお、G7 Xのズームレバーはちゃんとシャッターボタンについていますので、無段階ズームも当然可能です。マニュアルフォーカスは……そもそもあんまり使わないので(MFは背面のリングで調整します。こちらも段付きですが、刻み幅はかなり小さい印象でした)。
ただし、G7 Xのコントロールリングはクリック音が結構大きいです。カチカチと音が鳴るので、静かな場所で使いたいときは気を使うかもしれません(デジカメのメニューからも操作できるので、使い分ければ良いのですが)。


グリップについてですが、RX100&M2に比べて、G7 Xは右手親指のかかり具合は良好です。ただし、あくまでも「比べて」の話です。つるんとした引っ掛かりの少ないフォルムなので仕方ないと思いますが、構えたときにボディ前面にかかる指(中指・薬指)が不安定です。RX100シリーズでは後付けのグリップが発売されていますが、G7 Xはどうなるんでしょうか。ボディ表面が梨地仕上げなので、張り付け自体難しいような……仮に出たとしても、私は使わないと思いますけど。


G7 Xを使う上での気になる点として、「音」が挙げられます。コントロールリングを回せば「カチカチ」、画像をプレビューすればシャッターが「パチッ」、プレビューから撮影モードに戻るときも「パチッ」、露出ダイヤルを回しても「カチカチ」……日常で使う分には一向に気にならない程度ですが、雑音に気を使うようなシーンではちょっと気になるかもしれません。もっとも、コントロールリング等のダイヤルに関しては、クリック感を持たせるためにはある程度音が出るのは仕方ないかと思います。
またこの音に関しては、あくまでもRX100シリーズと比較してのことであり、私が神経質すぎるだけな気もしますので、ご留意を。

・撮影

はい、カメラとして大事なところです。
スペックは方々で紹介されていますが、改めてまとめますと

RX100M2・・・28-100 mm(F 1.8-4.9)
G7 X・・・24-100 mm(F 1.8-2.8)
RX100・・・28-100 mm(F 1.8-4.9)

センササイズは全て1型で、RX100M2とG7 Xは裏面照射ですね。で、特筆すべきはG7 Xのレンズの明るさです。テレ端でなおF2.8ですから、数値としては大三元の標準ズームと同等ということになります。RX100シリーズもM3でテレ端が明るくなりましたが、その代わり焦点距離が短くなっています。私の場合、コンデジは常に持ち歩いて撮影するアイテムですので、焦点距離が短いというのは少し困ります。M3は今回比較対象としていないので(値段が高すぎ)除外するとして、M2とG7 XでしたらG7 Xが圧倒的に優位といえます。

また、撮影時のタッチパネルも使い勝手が非常に良かったです。画面をタッチするとその部分にフォーカスが合い、その後自動で追尾し続けてくれます(設定で、触れた瞬間シャッターが下りるようにもできます)。この追尾性能がとても高く、結構乱暴に動かしても、他の物にフォーカスが乗り移ってしまったり、ロストしたりということなく追い続けてくれます。RX100M2でもAF追尾機能はありましたが、こちらはタッチパネルではないので、追尾モードにするためにはまず設定用のボタンを押し、画面中央に追尾したい対象をとらえ、もう一度ボタンを押す、という操作が必要でした。しかも、カメラを動かすとAFが別のものに移ってしまったりロストしたりするという……。

AF速度はRX100シリーズもG7 Xも不満はありません。CanonはEOS Mの前科があるのでちょっと不安はあったのですが、流石に同じ轍は踏まなかったようです。


G7Xの画質について気になったことを一つ。
G7 Xで撮った画像は解像感がカリッとしないというか、ソフトフォーカス気味な印象がぬぐえないように感じました。これに関しては別機種や複数の個体での比較に基づくものではなく、あくまで「そんな気がする」程度ですので私の思いすごしかもしれません。まだ発売直後ですので、そういうものなのかどうなのかは今後検証されることを期待したいと思います。目くじら立てるほどでもないですし、私はガチ撮影の場合一眼レフを使うので、とりあえずは忘れようかと。
手ぶれ補正をOFFにしたら多少解像感が上がりましたので、あるいはその辺の問題なのかもしれません。



・総合して

メーカーの目論見通り、G7 Xの登場はRX100シリーズ一強だった1型センサコンデジの牙城を突き崩すことになるような気がします。特にM2はホットシューが付いていること、数ミリではありますがサイズが小さいこと以外、G7 Xにほぼ完全に負けています(G7 Xが後発機なので勝っていて当然ではあるのですが)。もしもソニーがラインナップを整理するとしたら、まずはM2が切られちゃうんじゃないかなぁ、とひそかに心配しています。初代RX100は古い機種ですが、バリアングル液晶がない分RX100シリーズで最もコンパクト・かつ1型画質なので需要はありそうな気がします。個人的には、マイナーアップデートしつつ生き残ってほしいです。

また、RX100シリーズにはもう一台、M3がありますが、所有したことのない(それどころか触ったこともない)カメラを比較対象にするのはちょっと、と思い、検討しませんでした。ただ、M3は高い割に、魅力的な点があまりないんですよねぇ。個人的にEVFは使いませんし、M3はテレ端でも寄れるそうですが望遠マクロ的な使い方はあんまりしないし、焦点距離はG7 Xより短いし……。


ということで、G7 Xはかなり私にあったコンデジで、良い買い物をしたと勝手に悦に入っているわけです。次点に着けるのは初代RX100でしょうかね。機能的に割り切った元祖1型コンデジは、元祖なだけあってコンセプトにブレがないのが魅力です。顧客の要望に応えた結果とはいえ、M2、M3と代を重ねるごとに初期のコンセプトを見失いつつあるのでは……と感じずにはいられません。


さて、話をG7 Xに戻しましょう。
RX100M2からG7 Xへの乗り換えですが、私はかなり満足しています。RX100M2のホットシューを重用しているという方は別でしょうが、そうでないなら乗り換えても損は無いのではないでしょうか(もちろん、RX100M2に十分な満足感を覚えている方はその限りではありません)。少なくとも私は、約36000円(下取り含)の金額に見合っていると思います。



さぁーて、あとはLightroomがG7 Xに対応するのを待つだけですね。

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