2014年12月12日金曜日

Canon PhotoJewelでドールのアルバムを発注してみる

G7 Xを購入した際、グレートジャーニーキャンペーンでリストストラップとネームタグを貰いましたが、それと同時にCanonの新サービスであるPhotoJewelのクーポンも付与されていることを最近思いだしました。何でも、4480円分のクーポンだそうで、高品質な印刷のアルバムを作って配送してもらえるとのこと。タダならやらない手はない! ということで作ってみました。





今回は、そういうお話です。


写真はPC上で眺めて満足している身としては、クーポンをもらえなければこういうアルバムサービスを試す機会は無かったかもしれません。今回、4480円分(送料別)のクーポンを頂きましたので、ありがたく使わせて貰うことにします。
今後、結婚式やら何やらで活用する機会が出てくるかもしれませんし、どういうサービスなのかを知るにはいいチャンスです。クーポンの有効期限が切れないうちにちゃっちゃと試してみましょう。


初めにCanonに会員登録し、専用のソフト(PhotoJewel Designer)をダウンロード。個人的に、あんまりあれこれソフトを入れるのは好きじゃないのですが仕方ありません。ちなみにファイルサイズは400MBくらいで結構重いです。こいつをインストールし、アルバム作製はこの中で行います。


さて、肝心の写真ですが、見ての通りドール写真にしました。


Fig.1 開封



色々載せたい写真はあったので迷ったのですが、あるページには風景が載ってて、別のページには車が載ってて……だと統一感もくそもないので、ネタは一つに絞りました。ただ、アルバムにしたいくらい上手く撮れてる写真って、絶望的に少ないんですよね……。背景に余計なものが写り込んでいたり、髪の毛がはねていたり、目線が来て無かったり……無料で作れる分は24ページだったのですが、「絶対載せたい!」というものは15枚程度でした。もちろん1ページに一つ以上の写真が載せられますので、絶望的に足りません。

これはいかん、ということで慌てて過去の写真を見直したり、改めて撮り直したりして、何とか24ページ分埋まりました。


さてそれでは早速、どんなアルバムになったのか一部ご紹介いたします(なお、次回自分が作るときに機能を思い出せるよう、適宜細かい説明を入れています。PhotoJewelを試したことのない方には意味不明な点もあると思いますが適当に読み飛ばしてください)。

まず、Fig.2は表紙です。タイトルのレイアウトも自分で決められます(タイトル自体なくても良い)。
センスあるタイトルをつけるのは絶望的だったので、無難に……。


Fig.2 写真縁のぼかしも予め用意されている



印刷用紙は光沢紙/半光沢紙が選べます。また、印刷地のデザイン(白地、黒地、凝ったデザインの3種類)、印刷サイズも選びます。これらは後から変更できないようなので、慎重に。

今回は、半光沢、A4縦サイズ、白地を選びました。本来、4480円分のクーポンでは半光沢A4スクエアしか選べないのですが、偶然PhotoJewelが20% OFFのキャンペーンと重なったため、A4サイズでもクーポン内に収まりました。

アルバム作製時のソフト操作としては、よくあるアップローダーのごとくHDD上の画像を選択してソフトに読み込ませ、ペタペタと貼るだけです。試していませんが、キヤノン以外のカメラで撮った画像でも大丈夫……だと思います(私は基本的に、Exifは現像時に消しているので)。写真の拡大、縮小、回転、一部切り出し、縦横比変換、なんでもござれ。好きなようにフォントも入れられます(Fig.3)。


Fig.3 ちふみちゃんはちょっと照れ屋なんです(どうでもいい)
いよりちゃんは結構ノリが良い(どうでもいい)


縁なし印刷もOK(Fig.4)

Fig.4 写真の上下・中央位置揃え機能も有り


Fig.5のように見開き2ページをブチ抜きでもOKです。折角大きく印刷できるなら、ということでドドーンと贅沢にページを使ってみました。
ただし、中央部は綴じ白の関係で犠牲になる部分があります。顔などがページをまたぐ際は注意が必要でしょう。


Fig.5 ページ中央の綴じ部は宿命的に犠牲になる(構造上仕方ない)



写真の配置は一から自分で決めることもできますが、プリセットで予め用意されたレイアウトを使うこともできますし、更にプリセットに手を加えて配置などを変更してもOKです。ちなみにFig.6はプリセットで用意されていたものを若干変更し、重なっている小さい写真の回転角を微調整し、縁を白枠に変えています(デフォは黒枠)。


Fig.6 写真の回転角も好きに決められる



写真に文字を重ねてもOKです。また、数は多いとは言えませんが、写真に縁をつけたり、いろんな効果をかけたりということもできます(Fig.7)。


Fig.7 裏表紙は結構気に入ってる



背表紙にも文字を入れられます(Fig.8)。


Fig.8 フォントの種類はPC内のフォントに依存



表紙はビニールで覆われておりツルツルですが、中のページ表面は写真用紙なので結構ペタペタします。一般の写真用紙よりはさらっとしていますが、普通紙と比べるとべたつく感じです。

アルバム作製時のソフトの操作感ですが、細部はもちろん違うもののパワーポイントに近いものがあり、ちょっと触れれば違和感なく使いこなせるようになるのではと思います。初心者にもやさしい操作のアシスタントコメントがいちいち出てきますし(鬱陶しければOFFにすればいい)、使い方が分からなくなることはほぼないでしょう。

あと、裏表紙の見返しには、強制的にPhotoJewelのロゴが入ってくるようです(Fig.9)。


Fig.9 宣伝あり



別に良いんですけど、ただ、贈り物にしたい場合はここから値段を調べることが出来てしまうのでちょっと微妙です。そんな俗なことをするのは私だけかもしれませんが……。


なお、完成した写真集の注文もソフト内から行います。
ソフトの「カートに入れる」ボタンを押し、注文処理へと進むと自動でブラウザが立ち上がります。以降、ブラウザ上での操作となり、支払金額を確認してクーポンがある場合はここで入力します。ちなみにアルバム送料の540円は別会計らしく、クーポンに余剰があってもきっちり取られます。送料別なのはあらかじめ注釈があったので知っていましたが、クーポンに余剰があるならそこから補填してくれても……。

支払方法はクレジットカード一括払いのみで選択の余地なし。カード情報入力後、ファイルのアップロードが始まり10分ほどで完了します(我が家の回線は涙がちょちょ切れるほどしょぼいので、普通のご家庭はもっと早いと思います)。


後は手元に届くのを待つばかり。ゆうパックで届きました。


Fig.10 到着



ちなみに、A4縦の24ページ印刷の場合、ハードカバー外寸は以下の通りでした(実測)。

縦x横x厚み=303x216x9 mm


さて、気になる印刷の質感ですが、これは綺麗の一言です。それ以上言うことがありません。いや本当に、密度が違うというか、精緻さが半端ないです。何せキヤノンの業務用プリンタの最高峰であるDreamLabo 5000で印刷しているわけですからこれで美しくないわけがありません。特に感激したのがハイライト部の粘りです。白飛びするかなぁ、という結構ギリギリの場所があったのですが、ちゃんと描写されていてビックリです。色の再現性も、ほとんどPC上の印象と変わりありませんでした(私は専用のモニタを有しているわけではありません。モニタ色温度は6500Kです)。

ただ、印刷の質が非常に高いからこそ、半光沢紙という選択が悔やまれました。正直、1000円くらいの差額を払ってでも光沢紙にするべきでしたね。次回からは間違いなく光沢紙を選ぶと思います。
理由はまず、紙の照りが結構目立つことです。半光沢紙ですと表面のざらつきが照りのせいで強調されてしまい、写真の細部をじっくり眺める際に邪魔になります。特に暗部ではそれが顕著に見られました。また、光沢紙の場合、アルバムを開いた時にフラットに開くよう製本されます。半光沢紙では綴じ部が盛り上がってしまうので、見開きを鑑賞するには不便です。
発注前は、「フラットに開くと却って安っぽいかな?」と思っていたのですが、見開きで鑑賞するにはやっぱりフラットに開くのが一番ですね。それに、ページ綴じ部近くの写真でも見づらくなりませんし。



さて、あんまり良いことばっかり書いていて「なんだよコイツ、キヤノンの提灯記事かよ」と思われるのもアレなので(キヤノンは好きですから好意的な内容になるのは私としては自然なのですが)、気に食わない点も書いておきます。

とはいえ製品自体にはほとんど不満はありません。不満があるのはキヤノンのPhotoJewelの紹介ホームページ、これはいくらキヤノン信者の私でも弁護のしようがないくらい、結構ひどいです。


通常の検索で出てくるキヤノン公式ページでは、かなりざっくりとした説明しか載っておらず、「綺麗なアルバムが作れるんだなぁ」程度のことしか分かりません。具体的にどういうサービスで、どういう手順で作業が進んで……という最低限の紹介すら怪しいという体たらく。FAQなんて当然(?)見当たりません。
一応そういうページもあるにはあるのですが、Canon image gatewayにログインしないと見つかりません。これくらい、ログインしなくても確認できたほうが良いと思うのですが。『まだキヤノンに会員登録していないけれど、PhotoJewelには興味ある』という人(将来ユーザーになりうる潜在的マーケット層)に対しての情報開示が少なすぎます。
ページ下部にでも『更に詳しく知りたい方はこちら』みたいにリンク張っておけばいいのに。

さらに頭に来るのが、発送までの日数が通常の商品紹介ページからは確認できないことです。
これも、例によってログイン状態からであれば発送までの日数は確認できます。ある日発注したらいつ発送されるかがカレンダーでかなり細かく表示されており、これ自体は非常に好印象です。あとはこれを、ログインしなくても確認できるようにしてくれれば……(そうでなくても、公式HP中に『おおよその目安は○日です』くらい書いておけばいいのに)。最悪、アルバム発注後の自動返信メール中に、『あなたのアルバムは○日に発送予定です』くらい入れてくれればいいじゃありませんか。そんなにハードな要求でしょうかねぇ……。

ちなみに私が発注した時点時点('14年12月)では、発注から発送まで約10日程度の予定となっていました。

と、ここまで書いてなんなのですが、実は私の手元に届いたのは注文してから5日後のことでした。発注後4日目に「完成したので発送しますね~」というメールが届き、あまりの早さに私が発送予定日を見間違えたのかと思って改めて確認しましたが、やっぱり公式サイトの納品予定では10日後の発送予定になっていました。


(オーダーが空いてたのかなぁ)


なんて失礼なことが頭をよぎりますが、どういう理由にせよ早く手元に届くというのは良いことです。
納品日をあまり公にしていないのは、あるいはサービスとしてまだ完全に軌道に乗っておらず流動的だから? という理由なのかもしれません。違うかもしれません。


それと、ソフトの使用感についても少し。

操作方法自体はすぐに慣れたため問題ないのですが、細かい使い勝手は正直まだまだ改善の余地はある気がします。今後改善してほしい点としては


・フォントをいちいち選択しないと、どういうフォントか分からない(例えばフォントリストに「明朝」とあっても、それがどういうフォントの形をしているのか、実際に選択しないと分からない)。Wordのように、あらかじめ見本を示してほしい。


・画像同士のふちをきっちり合わせる機能が欲しい。(二つ以上の画像を左辺で揃える、など)


・半ページずつの入れ替えにも対応してほしい(現在は、見開き単位での入れ替えのみ)。


・ページのふちの、印刷限界部分が赤く縁どられているが、ON/OFFできるようにしてくれないと完成イメージがわかない。せめて印刷プレビュー時くらいはOFFにしてほしい。


・アルバムサイズや紙の種類などは、後からでも変更できるようにしてほしい。

・操作を補助するアシスタントメッセージが一部分かりづらい(例えば写真がページの端までかかるようにすると、『製本過程でページは内側のブリード線でカットされます』とメッセージが出ますが、ブリード線って何ですか? それとも私が無知なだけで大半の日本人は知ってる言葉ですか?)


などなど……(ここでボヤいても仕方ないので機を見て要望を出そうとは思っています)。


特に、どこまでが製本時に印刷される範囲でどこからがカットされる範囲なのかが非常に分かりづらく、私自身、完成したアルバムを見て「あっ、そういうことか!」とようやく合点したくらいです。

ソフト上ではFig.11のようにページ外周は赤く縁取られており、私はてっきりこの赤く縁取られた部分も印刷対象だと思っていました。が、実際はそうではなく、赤い範囲は基本的にバッサリ切り捨てられます(Fig.11-12比較)。赤枠ギリギリだと切り捨て時の誤差で縁なし印刷にならない恐れがあるので、そのためのマージンが赤い範囲ということらしいです。


Fig.11 ソフト上での表示範囲


Fig.12 実際の印刷範囲



これは別にキヤノンの説明に瑕疵があるわけではなく、たしかにアシスタントメッセージを見ればそう書いてあるので私が悪いのですが、件の『ブリード線』とかいう訳分からんテクニカルタームが出てくるせいで理解が及びませんでした。
ちなみに表紙・裏表紙の編集では赤枠の範囲がやたらと広いのですが、やっぱり製本時に残るのは白い範囲に収まった部分のみでした。



ということで、総じての感想。

後半あれこれ文句を言ったものの、PhotoJewelの品質自体は文句ありません。ただネックなのはその価格でして、如何せん5000円はそう簡単には出せません。
結婚式の写真や、子供の写真のベストショット集を年ごとに記録、などの用途には最適だと思いますが、趣味の写真を素材にして利用するにはちょっと、という感じです。ただ、実物の写真として手元に置いておくのはやっぱり所有感がありますし、そう頻繁ではないと思いますが、また利用したいと思います。


ところでアルバムを作る上で痛感したのが、写真レイアウトのセンスの無さでした。

写真の配置自体はある程度プリセットを使うことで何とかなるのですが、どういうシーンの写真を配置するのかは完全に私のセンスが試されます。
いやー、写真集を作るプロってすごいですね! 普段何気なく眺めて流してしまっていますが、どういうところにどういう写真を持ってくるか、そこにどれだけち密な計算があったのか、まざまざと思い知らされました。そしてち密な計算などできるわけもない私は、結局「これでいっか」とある程度のところで妥協することに。

うーん、写真は撮影方法ばかりに力を入れるのではなく(それも怪しいですが)、その後「どう見せるか」も重要なファクターなんだなぁ、としみじみ感じた次第です。


それにしてもこの写真、暗所保存で300年ももつんですね……私の玄孫の代くらいまでいけるんじゃないですか? 300年後の人類がこの写真を見て何を思うのか、それは謎です。

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