前日まで全く問題なく使えていて、いつも通りにシャットダウンしただけなのに……当然ソフト・ハード共に構成などもいじっておらず、いわゆる「何もしてないのに壊れた」という状態です。
というわけで、PC復活のために奮闘するお話です。記事タイトルで既に、何が原因だったのかばれてますけど。
症状としては、電源ボタンを押すとファンは回ってランプは点灯するのですが、それっきりなんですよね。BIOSさえ起動せず、ディスプレイも待機状態のまま……。
家にはもう何台かPC有りますから直ちに困るということもないのですが、やっぱり焦りますよね。これがもっと裕福なときだったら、「おっ、新しいのに買い替えるか!」なんて気分にもなるのですが、今は赤貧洗うがごとき状態なので壊れられるのは非常に困ります。
そういうわけで、原因究明をば。
「しっかし部屋も寒いなぁ。暖房焚いてゆっくり考えよう」と思ってストーブON、しばらく待ってから物は試しともう一度PCの電源を入れてみると……あれ? 起動したぞ?
さっきと今で違うことと言えば暖房を入れたことくらいですが……と、ここまで来てピンと来なければ化け屋(化学を生業とする人)の名折れというものです。そう、温度が違えば化学反応の速度が違う!
化学反応速度はアレニウスの式に従い、その関係は
k = A exp(-E/(kb・T))
という単一の指数関数です(A:頻度因子、E:活性化エネルギー、kb:ボルツマン定数、T:絶対温度)。
この中で温度項Tは指数部分の分母に入っているため、大きくなればなるほどexp全体は小さくなっていきます。
こんな感じですかねぇ。頻度因子は温度に依存しないので適当です。
Fig.1 アレニウスの式の例
アレニウスの式は1/Tに対してプロットするのが普通なのですが、今回は別に活性化エネルギーを求めるつもりはなく、単に反応速度定数の温度依存性を視覚化したいだけですので横軸は温度Tのままです。グラフでは分かりやすくするためにセルシウス度に直していますが、計算は絶対温度で計算しています。
ちなみに、1/Tに対して片対数プロットするとこうなります。見事にまっすぐ。
Fig.2 アレニウスプロット
数学的に考えればこうなるのは当然のことではあるのですが、しかし毎度、本当に上手く出来てるなぁ、と感心してしまいます。
というわけで、温度が低いと化学反応が鈍い、ということはお分かりいただけるかと思います。
とくに古くなった電池などは弱っているため、温度が低ければ余計に使い物になりません。冬場、テレビのリモコンの利きが悪かったり、車のエンジンがかからなかったりしますよね?
私のPCも、自作してから6年くらいたっていますから、そろっと電池の寿命がきていてもおかしくありません。
ということで、交換しましょう。マザーボードの電池は大抵CR2032というボタン電池で、私のPCも例にもれず。早速近所のセブンイレブンに走って257円で買ってきました。電気屋に行けばもっと安いんでしょうが高い買い物でもありませんし、それにこの日は例の大雪の日でして、路面はボッコボコの圧雪状態で車を出せず(というか、出したくないので)、歩いていける範囲で賄うことにしました。
早速PCのパネルを外して旧い電池を取り出します。が、PCI Expressポートが邪魔で、グラボを外さないと電池が外せません。グラボを外してようやく電池がお目見えです。
Fig.3 電池はここにある
あとはこの電池をスポンと外し、新しいのをはめて元に戻すだけです。ついでに埃がたまったPC内部も掃除機とダスターで掃除しておきました。例によって部屋が寒いため、ダスターの威力が弱かったですけど。
で、電源再投入して無事にPCは復活しました。
いやぁ、よかったよかった。
ただ気がかりなのは、本当に電池が弱っていたのが原因なのかどうか、いまいちはっきりしないということでしょうかね……。
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