安心して使うためには確かめてみるしかない、ということで、写真のようにカメラから外して紐だけを巻き、左右から引っ張るテストをしてみましたところ……解けてしまいました……。
もっともこのテストはかなり意地悪な条件でやっていまして、カメラをぶら下げた場合よりも強い力で引っ張った上、単純に引っ張るだけではなくてグリグリと紐をねじりながら引っ張ったりもしています。すなわち、メーカーが想定している負荷よりも厳しい負荷をかけている(かもしれない)わけで、実用上はほとんど問題ないのかもしれません。もちろん、OP/TECHのストラップの紐に欠陥があるなどというつもりも全くありません。
ただ純粋に、私個人が使う上で安心して機材を託すことはできない、というそれだけのことです。
あるいは、私はストラップはニコン巻きにして使っているのですが、そういう巻き方は想定していないのかもしれません。
何とも画竜点睛を欠く結果になってしまいましたが……がっかりするのはまだ早い! OP/TECHのストラップの良いところは紐の繋がったコネクタ部分と肩当て部分が分離でき、自由に取り換えが利くところです。
ということで、取り換え用のコネクタを買って付けてみることにしました。今回はそういうお話です。
追加購入したのは、以下の二点です。
・OP/TECHプロループコネクタ(XL長さ)(Fig.1)
・OP/TECHクラシックストラップ(プロループコネクタ(標準長さ)付属)
Fig.1 プロループコネクタ(パッケージの傷みは元から)
OP/TECHのストラップは肩当てとコネクタが分離できるので紛らわしいですが、要するに肩当てを1個と、長さ違いのコネクタを2個買ったということになりますね。
前回購入したユーティリティストラップは、お試しの意味もあったので一つしか購入しておらず、どっちみちもう一セット必要だったためクラシックストラップを購入しました。
クラシックストラップというのは、こういうやつです(Fig.2 上)。
Fig.2 クラシックストラップ(ユーティリティストラップ(下)との比較も兼ねて)
何の変哲もない、ただの肩当てです。人間の体に合わせて湾曲しているわけでもなく、ブランドロゴが入っているわけでもない、本当にシンプルな肩当てです。個人的にはOP/TECHの文字すら入っていないのはちょっと物足りない感じもします。
Fig.3 裏面
素材はおなじみクロロプレンで、Fig.3の通り、裏面はラバー加工されています(ネットで調べると、以前はゴムのイボイボが滑り止めに使われていたようですが、現在は改良されたのか、ユーティリティストラップと同様のラバー加工です)。また、縁はパイピング処理されている等、ユーティリティストラップとほぼ同等です。違いは肩当ての形状とロゴの有無くらいでしょうか。
ただ、クラシックストラップはでかでかとロゴが印字されていない代わりに、小さなブランドタグが付いています、しかも体に当たる側に(Fig.4)。
Fig.4 体に当たる側にタグとは何考えてるんだ
今は冬服なので気になりませんが、夏場など薄着の場合は擦れて痛くなりそうです。邪魔になるようだったらはさみで切り取ろうと思います。
ちなみになぜクラシックストラップを選んだのかというと理由は単純で、デフォルトでプロループコネクタがついてくるためです。本当は、肩当てはユーティリティストラップのほうがよかったのですが、ユーティリティストラップに付属してくるコネクタは通常の紐しか選べないんですよね。
そう、今回注目しているプロループコネクタとは、こういうものです。
Fig.5 コネクタ先端
先が環状になっており、いわゆる根付紐的な感じで取り付けます。これなら紐がちぎれない限り、不意に外れるということはあり得ませんから安心して使えます。
アジャスター部分も、端は滑り抜けないよう縫い付けてあります。そう、こういう製品を待っていたんですよ!
Fig.6 アジャスター部の紐末端は溶断+縫製加工
長さですが、通常長さとXLを比較するとこんな感じです(Fig.7)。それぞれ、アジャスターを目いっぱい伸ばした状態と縮めた状態にしてあります。
Fig.7 上から、XL最長、XL最短、通常最長、通常最短
長さ的には、
XL最長>XL最短≒通常最長>通常最短
という関係です。
通常長さのものを最も伸ばした状態で肩当てを付け、首から下げた場合、カメラは大体へそのあたり~少し上くらいにきます(身長180cm)。個人的にこの長さは短すぎます。一方XLでは、最大まで伸ばした状態で首に掛けると、カメラはちょうど股の高さにきます。いくらなんでもこれは長すぎですが、その点は縮めれば良いだけなので大した問題ではありません。ということで、肩や首から下げるならXLが良さそうです。
一方、肩当てを外したときの使い勝手ですが、これは通常長さの方がしっくりきます。もっとも、上でも書いた通り、両コネクタの長さは「XL最短≒通常最長」なので、XLを縮めれば通常のものと同様の感覚で使えるはずです。あるいはわざわざ長さを調整しなくても、手首に二重に巻けば紐の余りはほとんど出ませんからどのみち問題にはならないかと。
ちなみにXLくらいの長さがあると、肩当を外した状態であっても結構長いので、一時的にちょっとだけ肩にかけるという使い方も不可能ではありません。
以上を総合しますと、XLの方が私としては気にいりました。この辺は体型との兼ね合いもあるので一概には言えませんが。
ところで、このプロループコネクタ、カメラに取り付ける際にえらい苦労させられました。というのも、コネクタの紐が結構厚みがあってしっかりしているのに対し、キヤノンのカメラのストラップ取り付け部はボディ直結で、しかも穴が小さいためなかなか通らないんです。70Dの取り付け部は金属むき出しなのでいいとしても、5Dmark3は黒く塗装されているため、あまり力任せに押し込んだり、硬い針金などでグイグイやったりすると塗装がはげてしまいそうで……。
先にテグスを通しておいて引っ張るとか色々試しはしたんですが、結局、無理やり力づくで押し込むのが一番でした。
一応コツとしては、紐をきっちり半分に折って通そうとすると布の厚みのせいで通りにくいので(Fig.8-a)、わざとずらす感じで折ると多少厚みを抑えることができ、少しは通しやすくなります(Fig.8-b)。吊り部が消耗してきた時の交換に備えて、自分用メモも兼ねて記録しておきます。
Fig.8-a きっちり半分に折ると厚みがあって通らない
Fig.8-b ずらして折れば厚みが少しは減らせる
Fig.7 通すとこんな感じ
ストラップをつけるとFig.7のようになります。取り付けにこんなに苦労するとは計算外でしたが、よくよく考えてみれば当然で、カメラを保持するわけですからある程度の強度が担保できる紐になりますよね、そりゃ。
ということで、我が家のカメラはめでたくオプテックのストラップへと換装が完了しましたとさ。
Fig.8 完成!
ちなみに、プロループコネクタは「2.5kg以上の荷重をかける場合はウェビングコネクタ(いわゆる普通のストラップ紐)の使用をお勧めします」とあり、2.5kgを超える機材には非推奨のようです。しかしこれは裏を返せば、2.5kgまでの使用であれば安全性は保証されているわけですから、これ以上ないほどに安心して機材を託すことができます。そりゃストラップの紐も分厚くなりますよね。
ところで、この2.5㎏の耐荷重性って、実はパッケージにはどこにも書いてないんですよね。ネットショップの製品紹介などで謳われているので嘘ではないと思うのですが、どうにも信憑性が……。
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