2015年4月5日日曜日

EF50mm F1.2L USM購入

なんだか最近このブログ、買ったものをただ報告するだけみたいになってきました。良くないですねぇ、こういう流れは。まるでキャラクターを増やさないと物語を展開できないマンガやラノベのようじゃありませんか。

とはいえ、買ってしまったものは仕方ないので紹介しましょうそうしましょう。




というお話です。




実はつい先日まで、sigmaの50mm F1.4は里帰り中でした(また)。稼働度の高いレンズが不在ということでどうも心の中にぽっかり穴があいたような喪失感を覚えていたわけです。そうするとどういうことが起こるか……例によってsigmaのレンズへ不満が募っていくわけですね。それでも私がsigmaレンズを見捨てないのはsigmaという企業の真摯な姿勢に好感を抱いているからなのですがそれは別の機会に語るとして、ともかくsigmaのレンズは度々不調になるわ、AFも(Lレンズに比べて)遅いわ、防塵防滴じゃないわ、挙句職場の上司に「sigmaのレンズって人気あるのかねぇ?」なんて言われちゃうわ(ありますよ!)……そんなとき、たまたま目についた別の子(レンズ)に魅かれちゃったりして、「ちょっと良いな」なんて思っちゃったりして、酔った勢いで過ち(通販)を犯しちゃったりして……そして先日、「一緒になってくれるって言ったよね?」と署名捺印を求めて代理人(クロネコヤマト)と一緒に家まで押し掛けてきました。

捺印しましたとも、するしかないじゃないですか(まあ、拒否されてもヤマトさん困るだろうけど)。


というわけで、妻の不在時に不貞を働くのごとく不埒者のごとく、我が家にEF50mm F1.2L USMを迎える運びとなりました。実はLレンズの単焦点はまだこれで2本目です。それ以外のLレンズは全てズームなので、単焦点の描写力への期待はいやが上にも高まります。


Fig.1 50mmF1.2+5Dmark3



sigmaの50mmに慣れていたせいか、なんだか小さく感じます。コンパクト、とは言えませんが、個人的には十分持ち歩けるサイズ感です。フィルター径は72mmで、実はこのサイズは初めてです。今まではどういう偶然か77mmと67mmしか持っていなかったので……。プロテクトフィルターは必需品なので、おなじみmarumi光機のexusを購入しましたが、PLフィルターは現在保留中です。これくらいのサイズになると、真顔で「アホか」と言いたくなるほど高価なので、おいそれと購入は出来ません。とはいえ、F1.2の明るさを活かすための減光フィルター的使い方も出来るので、半ば必需品とも言えます。とりあえず、ステップアップリングを購入して77mmフィルターを使いまわしますかね。

外見は、ずんぐりむっくりのぽっちゃり系フォルムです。購入前に画像で見て想像していたよりも実物はずんぐりむっくりしてますね。レンズフードを装着させると多少はスマートな外見になります(Fig.2)。


Fig.2 レンズフード装着



フォーカスは前玉が移動するタイプですが、移動は鏡筒内なので全長に変化はありません。マニュアルフォーカスのリングは重いです。個人的には重ければ重いほど良いので、これは私としては嬉しいところです。
AFは、お世辞にも速いとは言えませんが、かといって遅い遅いとあげつらうほどでもありません。最短撮影距離から無限遠など、極端なフォーカス移動の場合はさすがに待ちますが、それ以外はそこそこ快適です。が、この50mmを使った後で試しに100mmマクロを使ってみると、あまりにも高速なのでぶったまげました。「こんなに速かったっけ!?」というくらい速く感じます。50mmは重たい前玉を移動させているのでむしろ健闘していると思いますが、他と比べてしまうとやはり一歩劣る感じはします。ちなみに、sigmaの50mm artと比べても体感速度に差はありませんでした。


さて、レンズは持ってて嬉しいただのコレクションではありません。写真を写すための道具なんです。道具は使わなきゃ。高い金かけて買ったのは使うためでしょ? ……と、某悪役の声が聞こえてきそうなので早速試写といきたいところなのですが、この個体、ピントがめちゃくちゃ後ピンでした。マイクロアジャストメントで補正していますが、ピント位置をマイナス20にして何とかなるかというレベル(厳密にはまだジャストではない)です。ここまで大きくピント位置がずれているレンズは初めてなのでびっくりですが、近いうちにメーカーにピント調整を依頼しようと思います。とりあえずはボディ側の補正でしのぐとしましょう。

それではおなじみモデルさんの登場です。


Fig.3 寝起き



まずはF1.2解放から。


Fig.4 F1.2解放(フォーカス位置はアイ)



目にピントを合わせてAFしたのですが、描写がぬるいというか、全体的にもやがかかった印象は否めません。F1.2でそもそも被写界深度が激薄なのに加え、近接距離から手持ちでブツ撮りというシビアな条件、さらに個体に起因するピント位置のずれ……と、難しい条件ではあるのは確かなのですが、それを差し引いてもこれは予想以上に厳しいなぁ。

おなじくF1.2


Fig.5 F1.2解放 その2



同じ構図で、F4まで絞ってみると、こうなります。


Fig.6 F4で撮影



絞った時の解像感はさすがの一言です。明るいレンズなのに絞ったら意味無いじゃん、と云う気もしなくもないですが、解放F4のレンズで撮るのと、解放F1.2を絞ってF4で撮るのとでは後者の方が描写が上なのは言うまでもないでしょう。


なんてやっているうちに、修理に出していたsigmaの50mmが帰ってきました。

sigma 50mm「ただいm―……あなた、この泥棒猫は何?」

50L「ウフフフ……」

というやりとりがあったかどうかはさておき、使ってみるとこの2つのレンズ、焦点距離こそ同じですが、全く性格が異なることに驚かされます。
sigmaの50mmは解放からシャープに結像し、F1.4の被写界深度ながらとても素直な印象です。使用者の意図する通りに動いてくれ、そつなくこなせる優等生ぶりはまさに正妻の貫録といえるでしょう。時々「実家に帰らせてもらいます(修理で)」状態になったり、重かったり(愛が、ではなく、物理的な重量が)するあたりも、いかにもそれらしいではありませんか。

対して50Lは何が何やらというくらいに強烈なボケ味が特徴で、そのせいもあってかピント合わせは至難の業です。被写界深度が狭すぎるので、カメラ位置のちょっとしたブレですぐにボケてしまいます。F1.2なので当然シャッタースピードは稼げますから、一般的にいう「手ぶれ」とはちょっと違いますが、手持ち・解放で撮るのはなかなかしんどいです。が、写りや色のりはさすがのLレンズ、そしてそこに強烈なボケが加わるわけですから魅力的でないわけがありません。そういう風に振り回されてしまいながらも許容出来てしまうあたり、いかにも愛人的な気がします。しかし、50Lは純正レンズなわけですから、本来はこちらが正妻のような……。


とまあそういうわけで、我が家には50mm単焦点が二つになったのでしたとさ。



Fig.7 かっこよく撮れるアングルを探す



あれ? やっぱりこれって持ってて嬉しいコレクションなんじゃ……。

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