というお話です。
実はこのレンズ、発売前にキヤノンプラザで先行展示品を触ったことがあり、ずっと気にはなっていたんです。それが長い空白期間を経て、ついに我が手元へ……!
かつて私の手元にはEF17-40mmF4Lというレンズがありました。初めて買ったLレンズで、ズームしても伸縮しない鏡筒と、70D(APS-Cサイズセンサ)とのセットでは標準域のズームになるのがお気に入りでした。が、5Dmark3を購入し、フルサイズが主体となるとこのレンズは広角過ぎるために扱いづらく、年に数回の出番しかなかったためにEF70-200mmF2.8LIIの購入に際し下取りに出したのでした。
それがなぜ、その後継モデルとも言える(正確には併売なので何ともいいにくいですが)16-35mmに手を出したのか……それは全ては友人の結婚式のためです。
集合写真を撮るために広角レンズが欲しい、それも、ある程度画角が自由に変えられるズームレンズが欲しい、ということで買ったんです。「ただそれだけのために!?」と思うこと勿れ、友情以上に優先すべきものなどありません。
ま、「友人の結婚式だから」っていうのは自分自身への言い訳で、正直、買うための口実が欲しかったんですけどね。
とはいえ確かに16mmの広角は結婚式でも活躍しましたので、実益だってちゃんと兼ねてるんですよ!本当に!
また、今年は東京モーターショーがある年でもありますから、広角レンズがあって損することは無いはずです(もっとも、過去の経験から、35mm換算で24-70mmあれば事足りるのは経験済みなのですが)。
実は購入したのは5月なので今更感は否めないのですが、ネタにしないのももったいないので(?)とりあえず使用感などを挙げておこうと思います。
外観・操作性チェック
Fig.1 レンズ外観
で、16-35の見た目ですが、とてもGOODですね。17-40に比べて少し長くなりましたが、問題ない範囲です。フィルター径は77mmなので、手元のPLフィルターが流用できるのもうれしいところです。そして何より気に入った点が、レンズ先端部分の広がりが抑えられているというところです。17-40は先端部分が若干ですが広がっていて、実は私はそれがあまり好きではありませんでした。その点16-35は広がりの押さえられた比較的素直な円筒形と言えます。だから何、と言われたらそれまでですが、まあ、個人の好みの問題ですので……。
それと操作感ですが、ズームリングはかなり重くて好印象です。一方フォーカスリングはそこまでの重さはありません。軽いわけではありませんが、しっとり重厚な動きが好みの私としてはちょっといまいちです。ま、AFに頼りきりなのでどうでもいいといえばそうなのですが。
あと、IS動作時の音についても少し。16-35は手ぶれ補正機能搭載でして、AF動作に合わせて補正機能が働きます。その動作開始時・終了時に、「ヂッ、ヂヂッ」という機械的な動作音がします。とはいえ、ほぼ無音の静かな部屋で、かつカメラを眼前で構えてようやく分かるくらいの些細な音ですから、よほど特殊な環境でない限り他人の迷惑になるということはまずないでしょう。色々な雑音がある屋外で気になることは皆無ではないかと。ただ、こういう音って一度気にし出すと気になるんですよねぇ。調べてみるとどうやらこれは仕様っぽいので、深くは考えないことにします。
写り
本格的な写りのチェック……という高尚なお役目は各紙各サイトにお任せするとして、16-35を持って出かけた時の写真でも載せてお茶を濁すことにします。
行ってきたのは弥彦山、ドールの撮影スポットとしてもお勧めですが、今日は同伴は無しです。
ちなみに弥彦山の標高は634m、くしくも東京スカイツリーと同じ高さであり、その眺望を疑似的に体験することができま……
Fig.2 弥彦山の看板
あ、あれ?
Fig.3 標高に怪しげな修正が……
なんか、4の字だけ新しくないですか? で、その下にはうっすら「8」と彫ってあったように見えませんか……?
……ゴクリ……
もしかして私達は今、底知れぬ深い闇を覗いているのかもしれません。
……というのは冗談ですが、気になったので帰ってから調べてみると同様の疑問を持たれた方は大勢いらっしゃるらしく、割と簡単に回答に行きつきました。これは別に弥彦村が嘘をついているとか、スカイツリーに合わせて話題作りするために山を4m分削ったとかそういうわけではなく、測量の基準が変わったために今まで638mだったものが634mになったらしいです。
よかった! 話題作りのために削られた山はいなかったんだね!(そりゃそうだ)
気を取り直して行きましょう。当日、弥彦山山頂は呆れるほどのガスにつつまれており、Fig.2からもお分かりの通り、634mの眺望を楽しむことはほとんどかないませんでした。こういうところもスカイツリーと同じですね!
Fig.4 アジサイ
続いてブツ撮りのテストです。こちらは弥彦山からほど近くの寺泊で食べた海鮮丼です。16-35はそれなりに寄れますし、35mmまでズーミングすれば背後の写り込みもある程度整理できるので、換えのレンズがなかったとしても何とかなりそうです。
Fig.5 寺泊の海鮮丼
これだけですと折角の16mmという広角を活かしきれていない気がしたので(Fig.2とFig.4は16mmなのですが、どうもワイド感が出ていませんね)、他日に撮った写真を。こちらは日本三大峡谷のひとつ、十日町の清津峡です。
Fig.6 清津峡
本気で撮るなら川岸からではなくて川の中にざぶざぶ入っていくべきなのでしょうが、私にそこまでの根性はありません。
さて、Fig.6で注目すべきは16mmのダイナミックさと、手ぶれ補正の見事な働きです。Fig.6はSS0.3sで手持ち撮影でしたが、拡大してもブレはみられず、川の水だけがちゃんと流れていました(F22まで絞っているので小絞りボケはありますが)。本来であればこんな横着せず、三脚にカメラを固定して減光フィルター付けてSSももっと伸ばして……とするべきなのでしょうが、そういつもいつも三脚を持ち歩いているわけにもいきませんから、この手ぶれ補正の効きは結構ありがたいですね。
Fig.7 花を入れて良い感じにしてみる
F値は解放4でしかも広角レンズですからスペック上分かってはいたことですが、やっぱりあまりボケませんね。まあこの点は元々期待していなかったので気になりませんが。
レンズ使用感のまとめ
16-35mm、こいつはうわさ通りの良いレンズですね。手ぶれ補正の効きも文句無しですし、何より、こってりした色のりが撮っていてたまりません。元々キヤノンは白の描写が得意という風にいわれていますが、このレンズを使っていて思ったのは、暗色・濃色の描写もかなり良くチューニングされているんじゃないかということです。今までですと、撮影したデータをLightroomで暗部を引き締めたりしていたのですが、今回掲載したものを含め、16-35mmで撮った写真はほとんどそのまま使えるというケースが多かったです。いやぁ、我ながら有意義な買い物をしました。
というわけで、16-35mm、お勧めです。APS-Cなら標準ズームとしても使えますし、キヤノンユーザー必携のLレンズと言っても過言ではないのでは、とさえ思います。
最後に、清津峡に行った道中発見した奇妙なかかしを。
Fig.8 謎のかかし(停車して撮影)
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